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「夜寝たら、朝起きれる」は間違い(起立性調節障害)

起立性調節障害と睡眠


夜、寝たいのに寝付けない。

寝ないといけない時間なのに、もうこんな時間だ。。。

寝なければという焦りで余計に寝れなくなってくる。


こんな経験はODの人にとってよくあることでしょう。


何時になっても寝ないでゴソゴソ、TVやYoutube!

遅い時間になってから元気で活動的になる。

これではそりゃ朝起きれるはずがない😤


親の立場からするとこれらが、あるあるかと思います。


そこでまずはじめに注意しておいてほしいことがあります。


それは、起立性調節障害の子は、
夜早く寝たからといって朝起きれるわけではないし、ODが治るわけでもない
ということです。


ODの子にとって睡眠障害は2次性の障害です。

ここで、
そもそもODの子はなぜ夜になってもなかなか寝れないのかについて、その一連の流れを考えてみます。


朝目が覚める → ODのせいで起立時の脳血液循環が不良 →  起き上がれない →   時間が過ぎる →   生活リズムの乱れ
= 体内時計が故障状態


つまりODが原因となって、睡眠リズム(生活リズム)が崩れ、体内時計がうまく機能しないため、夜寝れない。
というわけです。


ヒトは33~37兆個の細胞が集まった生き物ですが、体内の各細胞には時計遺伝子が存在します。また視交叉上核(脳)にそれら全体の指揮をとるマスター時計遺伝子が存在しております。

人間の体内時計は24時間プラスαに設定されているため、
誰でも毎朝リセットする必要があります。


しかし朝起き上がれないODの人はこれをうまくリセットすることができないため、どんどん眠れない身体への悪循環の渦へと飲み込まれていってしまいます。


夜眠れるようにすることでODがきっぱりと治るわけではないにしても、

睡眠障害の増幅によるOD症状の悪化を防ぎ

OD症状改善のための基盤を構築するためにも

戦略的に睡眠の質を向上させ、行動を起こす体力を手に入れる必要があります。


(また、その得た体力の使い道は重要です。
登校に使うのか、自宅学習に使うのか、運動療法に使い体調回復に使うのか、、、それは中学生か高校生か、また全日制か通信制かなどの環境や、
本人の目標・目的次第でしょう。
しかし共通していえる注意が必要な点は、体力が回復した時に、その使い道が本人にとって望ましくないものに注がなければいけない。といった思い込みです。
例えば、登校したくないのに「体力が回復したら登校しなければならない。」といった思い込みです。
これでは体調を改善し体力を回復させるための行動を起こすモチベーションが湧かず、本人に治す意思が芽生えません。
そういった思い込みを回避し、自分の上位目的を明確にするためにも以前の記事を併せて読んでみてもらえると幸いです。)


https://note.com/naka55951/n/n4489417f2958


何にせよ睡眠は重要だ!

ということで、睡眠について何回かに分けて検討していけたらと思います。

まず今回はそもそも睡眠ってなに?といった問いに答えるような内容です。

なぜ睡眠は必要なのか?
睡眠中に身体や脳では何が起きているのか?
なぜ眠たくなったり、目が冴えたりするのか?
それらは一体何によって、どのように調節されているのか?

以下の内容は、睡眠に関するエキスパートである(Clinical Psychologist, Sleep Medicine Expert)

Dr. Michael Breus, PhD によって書かれたものを参考にしています。
直接読んでみたい方は博士の名前をクリックしてみてください。


最後には、この睡眠博士からのよく眠るためのヒントをより具体的な戦略にして紹介していますのでぜひ参考にしてみてください!!


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