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小説みたいなもの

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2024年4月の記事一覧

11話

もしかしたら違った未来があったのかもしれない。考えても仕方ない事なのだけれど。例えば、少し後ろを歩く彼と一緒に暮らしていく未来も存在したのかもしれない。それはまるで妄想レベルの事だけれど。仮にそこに恋愛感情があったとしても、伝えるべきだった言葉は他にもあったのかもしれないし、聞く必要がない事だって触れるべきだった事もあったかもしれない。人の懐に入るのを避けて生きてきたような気がする。それらが今の寡

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10話

ふたりは早足で歩く私にだらだらついてきた。子供みたいだ。決して可愛くはないが。もう終電の時間も過ぎた。彼はどうやって帰るつもりなのだろうか。私達と同乗して?それを拒否する権利は三上の車なわけだから私にはないけど出来ればそれは避けたい。

10代の頃、3人で防波堤に行った時の事は忘れていた。咄嗟に蘇った記憶を折角だから胸に留めながら明かりの乏しい埋立地を再開発した微妙な景観の港を進んだ。あの頃は成長

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