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あの人と私が出会ったおはなし#7

背の高い男性だった。私は取り敢えず当たり障りのない質問をした。

「どこで免許合宿されたのですか?」

事務所のおじさんがペラペラと喋っており、こちらの男性も私と同じく免許合宿であることは知識を得ていた。

「僕は、山形です。雪道とかわだち走りました。」

「ああ、そうなんですね~。私は長崎です。」わだちの意味が分からなかったがあえて聞き返すことはせず、この状況での一般的な会話を少しした。

事務処理を待っている間に試験場の受付時間までにだんだん余裕がなくなってきた。ちょっとイライラし始めたころに私たち二人の事務処理が終わった。

頭が鳥の巣みたいなおじさんは言った。

「2人で一緒に行ったら?二人ともお似合いだよ~。一緒に行けばいいよ、ほら。」

私たちは顔を見合わせる。

『は?このおじさん何言ってんだ?この人迷惑してるよ絶対。』

私は困惑した。




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