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海老原嗣生さんの「少子化ー女"性"たちの言葉なき主張」を読んで

雇用ジャーナリストの海老原嗣生さんは、私の尊敬する方のおひとりです。私にとっては公務員人材開発研究会の学びのベースとなっている「マネジメントの基礎理論」は私の人材育成のバイブルであり、「夢のあきらめ方」はクランボルツとの出会いをいただけた人生のバイブルです。

海老原さんは雇用のカリスマ、専門家としてキャリア理論から雇用の歴史、制度のことまでをわかりやすく教えていただき、その上でこの時代の矛盾に鋭く切り込んでいただき、そこにとても共感します。

女性の生き方、キャリアについてもとても関心が高く、「日本における最大の雇用問題は女性」と仰っており、報道で知る日本のジェンダーバイアスを歴史的経緯から、現代の問題までを的確に指摘されています。

その集大成が今回のご著書でしょう。

私はこの本でまずは女性の社会進出が与謝野晶子と平塚らいてうに遡り、その主義主張の違い、戦争をきっかけとする女性の社会進出、当時の出生率からの出生調整の歴史、景気と社会の変化に左右された女性の雇用の変化の歴史、そして必然的に女性の力が必要となった現代へのプロセスを知りました。奇しくも、朝ドラと重ね合わせて理解が深まりました。

この本は単に男性の育児家事参加だけに偏りません。晩婚化未婚化と高齢出産リスクを原因として終わりません。
一般的に語られることに、データでしっかりと整理されて客観的事実として先のキーワードの矛盾をご指摘されています。この文章を感情的に受け止めるとおそらくわからなくなってしまうと思います。私も部分的に当事者のところはありますが、客観的に捉えることで、気持ちの負担はなくなります。

そして、最後に、誰もが触れない、言葉にしない部分を言葉にして残されていることに感銘を受けました。おそらく、この部分でも一部の方は感情的に意見を言われる方もいるかもです。ただ、誰もが薄らと、またはもやもやと感じていると言語化していただいています。誰もが触れない部分にも学びをいただける海老原さんには改めて敬意を表します。

キャリアコンサルタントの柴田朋子さんとのセミナーで、柴田さんの半生をお聞きして、衝撃的でした。この本の内容ととても親和性があります。

具体的には、ぜひご一読いただくことをお勧めします♪

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