婚活から考える私なりの幸福論
私は、婚活というものにとても興味がある。
離婚経験があるので、自身にもう結婚願望というものはないのだけれど、
「結婚相手を探す人々」の話を聞いていると、様々な発見があって面白い。
彼ら彼女らは、人生を共に過ごす相手を探すと同時に、真剣に自分と向き合い、内省する。
自身を濾過して明度を上げる作業をしてるみたいで、人間らしくてすごくいいなと思う。
自分はどんな人間で、どんな人といたいのか
妥協できるもの、譲れないものは何か
婚活とは、己をとことん深掘りする大切な時間なのかもしれない。
婚活市場の中で現れた「婚活アドバイザー」という人々。
数々のカップルを成婚させてきたという猛者たちが、自分なりの婚活戦法を生み出し、テクニックを売っている。
Xで見かけたとあるアドバイザーの方の投稿で、こんなものがあった。
相談者は40代の男性。
婚活アプリで出会った女性達と、なかなか2回目のデートに繋がらないという悩みに対して
「シャツの皺を伸ばしたり、月に一回は必ず美容院に行くなど、外見にもう少し気を遣うと会ってみたいと思ってくれる女性が増えるかもしれない」
そうアドバイスしたところ
「無理に取り繕った自分ではなく、ありのままの自分を受け入れてくれる女性がいいから」
と聞き入れてもらえなかったという話が、とても興味深かった。
衛生観念の差で、婚活が難航する男性は多いらしい。
ちなみに、相談者の男性は鼻毛が出ていたそうだ。
男性は女性よりも
「自分は異性に受け入れてもらえるはず」
という感覚が大きいように感じる。
全ての人がお母さんのお腹の中から出てきたわけで、女性は自分を受け入れてくれるものと純粋に信じているのではないかと思う。
母の愛は偉大で、とてつもなく無条件だ。
息子の鼻毛が出ていようが、体臭がきつかろうが、注意はすれど愛がなくなるという母親はそうそういない。
ただ、婚活市場においては、男性が「ありのまま」で受け入れてもらうことは難しい。
これはお互いだけれども、血も肉も分け与えていない相手を無条件に愛することはほぼ不可能だ。
夫婦という関係値を継続していくためには少なからず努力が必要で、努力してまでも共にいたいと想い合えるほどの人と出会うために婚活をするんだと思う。
私のネイルサロンでも最近、ネイルケアをする男性が増えてきた。
彼らの多くは、自分の外見を磨くことに喜びを感じると共に、
「他者に失礼のないように」ということを、とても気にしている。
伸びっぱなしで汚れた爪で名刺を差し出したら、仕事相手を不快にさせてしまうかもしれない。
ガサガサの指先では、女性も手を繋ぎたいと思わないかもしれない。
自分自身を大切にし、体の末端まで気を遣える人となら、一緒に丁寧な時間を重ねていけるかもしれないと感じる女性は多いと思う。
清潔であるということは、人とコミュニーケーションを取る上でとても重要なポイントになる。
今まで培ってきた考え方やこだわりは、もちろん大切だ。頑なに自分を貫き通さなければいけない場面もあると思う。
けれど、柔軟に人のアドバイスを聞き入れて、流れるように生きてみるのも案外面白い。
変わり続けることで見つかるのは結婚相手だけではなく、より人生を楽しむことのできる自分自身なのかもしれない。
世の白熱する婚活模様を眺めながら、自分も変わり続けなければいけないな、そんなことを思った。
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