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「なぜできない?」と「どうしたらできる?」の違い

この2ヶ月くらい、初めてお会いする方の人事のお悩みをお聞きすることが多くありました。その中で意外と多かったのが表題のフレーズです。

どういうことかというと、人(社員)についての悩みなので、「社員が言ったことをやらない」「いくらやれと言ってもできない」「どうしてやろうとしないんだろう」などなど・・・こんなフレーズが多くありました。そうすると必ず出てくるのが

なぜできないんだろう?

でした。お気持ちはわかるのですが、こういう疑問が出てくる背景には必ずと言っていいほど、その人の「成功パターン」があります。

その人が過去にAというやり方で成果を上げたとします。そうすると同じような課題には「Aをやることが正解」とインプットされてしまいます。そして、「Aをしない部下は仕事ができない。能力がない」となってしまいます。

しかしAというやり方はその人の成功パターンであって、必ずしも部下がそのやり方で成果を上げられるかは別問題です。Aというやり方は成果を上げられるパターンのうちの一つに過ぎないのですが、それがあたかもすべての正解のように考えてしまいます。

その方と部下は違う人間です。強みも大事にしている価値観も違います。部下には部下の強みを発揮できる「成功パターン」があるはずです。

「なぜできない?」と責め立てても、その人ではないのでなぜできないかなんてわかりませんし、恐らく返ってくる答えは「○○さんではないからできません」でしょう。なぜできない?は過去を責められている感じに聞こえるのです。

それではどうしたら良いのでしょうか?
それはできなかったことについて「なぜできない?」ではなく

「どうしたらできると思う?」

と聞くことです。これは部下に成功する未来を考えてもらい、現在の状態と未来の姿のギャップを明確にしてあげて、そのギャップを解決するために何をしたら良いか考えてもらうのです。同じことを聞いているようにみえますが、未来の姿を聞くことで、部下は自分なりの「成功パターン」を探すようになります。

自分の言葉で自分の行動を決めてもらうのです。これが俗に言う
「自分で考えて行動する社員」
に繋がります。

こんなアプローチをお話すると、みなさん揃って「そういう視点はなかった。ちょっと使ってみます」と言われていました。

ちょっとしたことなんですが、こちらの見る視点を変えることで相手の行動を促すこともあるということを感じていただけたのかなと思いました。

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