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自社の価値観は当たり前すぎてわからない?!

多様性の時代と言われていますので、組織のミッション・ビジョン・バリューを示すことが大事になります。
その中でもバリュー(価値観)は、その会社が何を大事にしているのか?ということになるので、その会社の強みを表すものだと思っています。


たくさん学んでいる経営者

最近関わらせていただいている社長で、人に関することをたくさん学ばれている方がいらっしゃいました。ただ、その社長の悩みは「学んだのはいいけれど、これをどう使ったらいいのかわからない」ということでした。せっかく学んでいるのに活かせてないのはもったいないですね。

一応、会社のミッション・ビジョン・バリューについて聞いてみました。
この先やってみたいことや、どんな分野で成功していきたいとかはあったのですが、自社の強みという点では言語化できていないようでした。

マッキンゼーの7Sで整理してみた

お話しているとたくさんの内容が出てくるので、「マッキンゼーの7S」という考え方を使って、何ができて何が足りないか整理してみましょうということになりました。


ちなみにマッキンゼーの7Sは上記の要素なんですが、並び順や関係性は諸説あるので必ずしもこの通りではありません。(私はこれを使っているということです)

この図を見ると「価値観」は中心に来るので、まずここを固めたいところなんですが、先ほどの社長は「戦略」のウエートが大きく占めていました。

ということでまずは「戦略」を整理していきました。ご本人は話されている内容が「戦略」であるという意識はなかったようです。

次に「この戦略を実行するにはどんな組織図(誰にどんな役割をしてもらうか)だったらベストですか?」と聞いてみました。上記の図の「組織」の部分を整理していきます。

ここも今いるメンバーをどう配置して、社長はどの位置でどんな仕事をしているかなど、理想とする組織図を描いてもらいました。

そうすると現在は存在していないキーとなる役割が必要だということにたどり着きました。そこで「人材」を整理していきます。

新しく採用する必要があるので、ペルソナや求める能力などを出してもらい、その人が応募してきたとして、どんな採用面接を踏んでいくのか整理していきました。

この会社でないとダメな理由は?

ここまで来て聞いてみました。

私:「で、こういう人を何て言って募集かけるんですか?同じような仕事をする会社はごまんとありますけど、御社でないとダメな理由って何ですか?」

社長:「う~ん、それって真ん中の価値観ってことだよね?」と言って頭を抱えていました。
「ぶっちゃけ、価値観のないことが価値観なんだけどね」

言いたいことはわかるような気はしますが・・・

私:「御社みたいな変化の激しい業界で30年以上やってこられたのはどうしてですか?何があったから今まで続いたのですか?」

社長はこれまでの経緯などを色々と話してくださいました。

当たり前すぎることが自社の大事にしていること

私:「それって成功していることにしがみついていないで、いつもアンテナ張って歩みを止めてこなかったってことですよね?」

私が言い換えた言葉を聞いて、社長は「あっ!」という顔をされました。

話を聞いてみると、去年、採用の手法を学んで確かに応募は増えて採用はできたけど、一人も残っていない。だけど今残っているメンバーは常にチャレンジして新しいことを学び続けることに共感している人が残っているということでした。

私:「現状維持でいたい人もいますから、それって十分価値観ですよ」

社長:「当たり前過ぎてわからなかったよ~」

まあ、そんなもんでしょう。(笑)
重要なのは大事にしていることを判断軸として、人材も戦略も評価なども、全部つながっていることが大事で、バラバラでは組織として成果は上げられないということをお伝えしたところ、社長さんはスッキリした顔をされていました。

少しだけこの会社のチャンレンジに貢献できたでしょうか?



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