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管理職もモヤモヤ・・・悩ましい会議の正体

毎年横浜商工会議所のビジネスセミナーの講師を年に1~2回やらせていただいています。
先日は管理職向けの1日セミナーの講師をしてきました。コロナ禍だったこの1~2年はリアルで参加される方は少なかったのですが、今回はたくさんの方にご参加いただきました。みなさん、動き出してきた感じですね。

みんなストレス抱えている?

セミナーの内容はいくつか項目があるのですが、予想以上に反響があったのが「会議の落とし穴」という項目でした。
セミナー終了後、ある受講生の方に
「いやぁ~良かったです。わかりやすかった。特に会議はみんなストレス抱えていますから」と言っていただきました。

確かに管理職の方は、経営会議のような上の方との会議。部内をまとめるための部下との会議。他部門との連絡会議など、たくさんの会議に出席しないといけない立場であることは理解できます。

会議にも種類がある

ということで、最初にお伝えしたのは「今やっている会議は何の場なのか?」ということです。
・単なる業務報告の場
・何かミスが起こり、その原因究明をする場
・これから先の未来について話し合う場
 どうやって仕事を進めていくのかを決める場

などがあります。もちろん、同じ会議で扱うケースもあると思いますが、話し合っているフェーズでどの部分をやっているのか全員で共有しておかないと無駄な時間を過ごすことになります。

単なる業務報告だけなら文書やWEB会議でも十分でしょう。
原因究明であるなら、原因と結果を共有してどこを修正するのか。必要以上にミスを責め立てても起こってしまったことは変えられません。この結果を次にどう活かすのかということに最後はフォーカスしないと責任のなすりつけあいで終わってしまいます。時間をしっかり管理することが大事です。

一番難しいのが未来のことを決める話し合いだと思います。未来のことは誰にもわからないのでどうしても時間がかかります。

「対話と決断」のセットで成果が出る

ここで私が参考にしている書籍をご紹介しておきます。

立教大学の中原先生が書かれた本で、会議の解説本ではありませんが、このステップがきちんとできれば成果の出る会議ができるなと思いました。わかりやすい言葉で書かれているのでお薦めです。

この本にも書かれているのですが、正解が一つではないことに対して必ず必要なのが「対話のフェーズ」です。
対話とは「お互いの違いを認識するコミュニケーション」です。このステップを踏むことで、お互いが自分ごととして会議に向き合うことができます。

そしてもしかしたらこれができていないから会議がうまくいかないのではないかと思いました。
それは「決断のフェーズ」です。
よく、話し合いは続けているけれど「決まらない」という話を聞きます。対話していることに満足してしまい、先へ進まないケースです。

この対話と決断の、それぞれどこにいるのかをメンバーが理解していることが重要です。

決断のフェーズで必要なこと

対話を十分(時間いっぱい)行ったら、「決断」をしないと全く意味がなくなってしまいます。

・メリット、デメリットを明らかにする
・多数決に安易に逃げない
誰が決めるかを決めるメンバーが合意して決める
いつ決めるかを決める⇒意見が飽和した時
どのように決めるかを決める

どの意見にもメリット、デメリットはあるのでそれを明らかにした上で安易に多数決に走らない。
そして誰が決めるかを決めることがとても大事です。結局決める時は一人です。決められないというのは責任を取らされるから決めたくないという心理が働くからです。この問題は最終的には誰が判断するのかをあらかじめ明確にしないから決まらないのです。
そして、いつ決めるのかというのは意見が飽和した時に決めるのが理想ですが、時間が限られている時はいつどのタイミングで決めるかをあらかじめメンバーで合意しておく必要があります。

どのように決めるのかというのは「決め方」を決めておくということです。
・全員で合意する
・多数決
・多段階での多数決
・スコアで決める
・評価で決める(評価軸をいくつか決める)

本の中で中原先生は「評価軸をいくつか決めておいて、それにそって決める」ということを推奨されています。

会社で考えると、会社のビジョンであったり価値観やバリューに沿っているのかどうかということが評価の軸になるでしょう。

しかし一番大事なのは
どんな結果になっても自発的にフォローは行う

これをメンバー全員が合意していることだと思います。これがないと決まったことが自分ごとにはなりませんからね。

また、長くなってしまいました。こういうことがもっと完結に伝えられたらみなさんのお役に立つのはわかっているのですが・・・(笑)



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