中小企業の社内行事と組織開発
今週は以前に勤務していた会社の創立記念パーティーに参加してきました。
と言っても公式のものではなく有志開催ですが、社長や経営層も参加していました。
あらためて中小企業なりの社内行事と組織開発を考えてみました。
準備する部門の労力
もともとこの行事は公式のものとして、毎年総務が企画運営していました。かく言う私は社内行事を仕切っていた本人です。
コロナ禍で人が集まるということに制限がかかったため、数年の間ストップしていました。
そろそろ再開となったころ、総務の新しいリーダーが
「行事にかかる総務部門の負担が大きすぎる。そこにリソースを割きたくない」ということで、社内行事の多くはなくなりました。
準備の作業だけに注目するとわからなくはないです。
創立記念以外にも社内行事がありました。
時には朝から大量のジャガイモの皮むきなんていうこともあり、やっていることだけを見たら、私何やっているんだろうと思うことはありました(笑)
これは良く言われますが、作業ではなく「この仕事はなんのためにやっているのか」が大事になってきます。
作業の先にあるゴールのビジョン(映像)をイメージできないと、労力をかけたくないと思ってしまうのも無理はないです。
組織開発の中の社内行事
話は逸れますが、組織には成長する順番があります。
・個人レベル
社員個人が多様性や会社のビジョン、リーダーについてどのように捉えているか
・チームレベル(部門等)
会社や部門のビジョンが明確で、仕事を通じた自己成長を感じているか。部門目標達成のために個人目標が明確で、部門が一体感を持てているか。
・会社レベル
個人の強みを伸ばすための教育機会があったり、仕組みが機能しているか。社員が会社を信頼して自己実現の場として認識しているか。
どの部分ができていないのかをきちんと見極めて、有効な打ち手を実行していく必要があります。
要するに個人レベルから徐々に大きな塊へ広がっていくイメージです。
結局、核となる個人のところでつまづいていたらいくら全体に対して打ち手を実行しても土台が崩れていくことになります。
順番に成長していくことがポイントです。
社員同士のコミュニケーションが悪いから社内行事をやろう!ということを聞きますが、社員同士というのはどのレベルの話なのかが重要です。
実は社内行事は、会社全体のコミュニケーションの場としての打ち手であって、部門の中でコミュニケーションが足りていないのであれば、社内行事ではなく1on1面談のような個別の対応が有効となります。
部門間のコミュニケーション
最近気づいたのですが、目標が部門独自で立てられているということです。
何が問題かというと、本来は会社全体で目指すところがあるはずなのですが、部門でそれぞれ勝手に目標を立てているので、部門間連携ができていないということです。
しかし自分の部門だけで完結する目標は少ないのではないでしょうか。
例えば製造部が生産量をこれだけ増やすとしたら、品質管理は試験が増えることになるので、今の人数でこなせるのか?できないのならどう対応するのか?採用?教育?
採用を増やすのであれば、人事は採用活動をもっと増やさなければいけません。
ところが多くの会社でそれぞれが目標を単体で立てているので、せっかくたくさん製造したのに、品質管理が試験をこなせなくて出荷できなかった。売上を上げようと思ったのに目標が未達になった、ということが起きてきます。
最悪の場合、「自分たちはやった。でもあの部が対応しないから悪い」みたいなことを言い出すわけです。
これが部門間連携ができていない状態です。
そこがマズイと気づいた場合、部長同士は連携を始めていくことになると思いますが、部下のレベルまで理解されるには時間がかかると思います。
中小企業は見える利点を活かしたい
大きな会社であればこの順番で進むことになると思いますが、中小企業の場合、良くも悪くも社員全員の顔が見えます。
しかし社員全員の顔はわかるけれど「話したことがない」ということが起こっています。仕事のつながりがなければ話すことはないようです。
特に世代が違っていると益々その傾向は強くなります。
全員の顔が見えるのだから、その利点を活かすために意図的に対話ができる場を設計することが必要です。
そのために社内行事は有効だと考えています。
こうやって私は社内行事を意図的に仕掛けていました。仕事の話ではないから敬遠する若手もいるのかもしれませんが、その人がどういう人かわからない状態で仕事の相談はしづらいと思います。
実は最初に書いた有志のパーティーでも・・・
入社2年目の若手と話していたところに営業のリーダーが来て、一瞬どうしよう・・・という顔をして他の席がないか探していました。
私は「こういう機会でもないと話すことないでしょ。一緒に座ろうよ」と言って引っ張り込み・・・
昔の行事の話をきっかけに、リーダーが社内の誰と話すことが多いか、どんなことを話しているか、こういう機会があったらいいなと思っているなどざっくばらんに話していました。
若手もそれを聞きながら「自分もそれやりたいです」などお酒の力も借りながら楽しい時間を過ごしました。
この営業リーダーと2年目の若手が一緒に仕事で関わるのは先のことかもしれませんが、少なくとも若手から見て、このリーダーが話しやすくて明るい人だということは伝わったように思います。
上位職制だけでなく一般職のレベルでも部門間連携ができれば、組織目標達成のスピードは上がるのではないかと思います。
そういう意味で中小企業は利点を活かした社内行事を実行していきたいものです。
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