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【睡眠薬】5.3倍も死亡率が高まる薬

死亡率を高める薬。

そんな薬があるとすれば、普通は麻薬などヤバいクスリを想像するだろう。

しかし、今回紹介する「死亡率を高める薬」は病院で普通に処方されている薬だ。

その薬こそ「睡眠薬」である。

実は、睡眠薬を飲む人は死亡リスクが5.3倍に、がんの発症リスクが40%高くなるのだ。

しかし、睡眠薬は眠れなくて苦しむ人を助ける側面もあると思うかもしれない。だが実験によると、睡眠薬はプラシーボ(偽薬)効果しかないことがわかっている。

睡眠薬による睡眠は睡眠ではなく「鎮静」

まず最初に言っておきたいのは、睡眠薬を飲んだあとの睡眠は、まともな睡眠とは呼べないということ。

睡眠薬を飲めばグッスリ眠れるように思えるが、実はその逆。眠っているようにみえるだけで、睡眠による健康効果や記憶の定着効果はほぼないと言っていい。

まさにこれは、お酒を飲んで眠るのと同じだ。お酒を飲んで眠ると記憶が飛んだりレム睡眠がゴッソリ奪われることがわかっている。

なぜなら、これまで主流だった「ジアゼパム」などの睡眠薬は「催眠鎮静薬」というタイプで、文字通りただの「鎮静剤」であり、寝付きをよくしてくれる薬ではないからだ。

実際、睡眠薬はアルコールと同じ「鎮静剤」というジャンルにわけられている。つまり、睡眠薬とは名ばかりの鎮静剤を飲んで眠っても、疲れはとれないし、日中になってもボーッとして頭の回転が悪くなり、動きも鈍くなる。

さらに悪いことに、睡眠薬を飲むのを途中でやめると、飲む前よりも眠れなくなってしまう。睡眠薬を飲み続けていると薬への耐性ができて、睡眠薬の効きが悪くなる。そこで薬を飲まなくなると、薬の禁断症状がおこり、眠れなくなるのだ。

睡眠薬は小麦粉やデンプンと同じ効果しかない

睡眠薬にはほぼ効果がない。

と言ったら信じられるだろうか? 薬というのは効果があるからこそ売れるものであり、効果のない薬を売るなどただの詐欺行為であり犯罪だ。

しかし、科学的な研究によると「睡眠薬はプラシーボ効果しかない」と結論付けられている。「プラシーボ効果」とは、ニセモノの薬でもホンモノだと信じて飲むと、ホンモノと同じような効果が現れる現象のことだ。要は偽薬のこと。

その研究を紹介しよう。

いま1番ポピュラーな睡眠薬の研究データを集めて解析した。データは65件の薬とプラシーボ(偽薬)を使用した研究で、被験者の数はなんと合計4,500人にものぼる。

ホンモノの睡眠薬を飲んだ人は、ニセモノの薬(プラシーボ)を飲んだ人に比べると、寝つきが早く、睡眠中に起きることの少なく感じたと報告している。

「ちゃんと睡眠薬の効果あるじゃん」

と思いますよね。しかし、解析の結果をみるとこれが本当かどうか怪しくなる。というのも、ホンモノの薬とニセモノの薬では睡眠の深さに違いはなかったのだ。

寝つきにかかる時間は、ホンモノの薬でもニセモノの薬でも10~30分早くなった。しかし、ホンモノ・ニセモノ、どちらにせよ根つきは早くなっているので、薬がホンモノである必要がなくなってしまう。

つまり睡眠薬を飲まなくても、睡眠薬だと信じて飲めば小麦粉だろうとデンプンだろうと効果があるということだ。この研究チームはこの研究をこう結論づけている。

「現在市場に出ている睡眠薬は、すべて医学的な重要性が低く、その効果には疑問が残る」

飲むとバカになる睡眠薬

睡眠薬は飲むほどバカになる。

正確にいえば、睡眠薬は記憶を消してしまうことがわかっている。

ペンシルベニア大学がそれを明らかにした動物実験を紹介しよう。

研究チームは、動物に新しいことを覚えさせて、それから体重に対して適正な量の「アンビエン」という睡眠薬と、偽薬を与えた。

そのあと眠っている最中の脳の活動を分析してみると、偽薬を与えられて寝た動物は、記憶の定着をうながす脳活動がしっかりみてとれた。

しかし、睡眠薬で眠ったグループは、記憶の定着作業がなされなかっただけでなく、最初に覚えさせた新しい記憶も50%なくなっていたのだ。

つまり、アンビエンという睡眠薬で眠った場合、新しいものごとを覚えられないだけでなく、記憶を消してしまう作用があるということである。

実際、睡眠の質が悪いほど記憶力が悪くなることが科学的にわかっている。

死亡リスクが5.3倍に、がんの発症リスクが40%高くなる

「でも、動物実験でしょ?」

と思うかもしれない。たしかに先ほど紹介したのは動物実験であり、人を対象にしたものではない。

それでは、今度は人を対象にした研究を紹介しよう。

実験を行ったカルフォニア大学サンディエゴ校のダニエル・クリプケ医師は睡眠薬の研究をした。その結果、睡眠薬を飲む人は死亡リスクが5.3倍に、がんの発症リスクが40%高くなることがわかった。

ダニエル医師は、睡眠薬をつかったデータを1万人分以上あつめた。「ゾルピデム(商品名アンビエン)」や「テマゼパム(商品名レストリル)」という睡眠薬を使っている人のデータだ。

これらの人と比べるために、年齢、人種、性別、生活環境などが近くて、睡眠薬をつかっていない2万人のデータも分析した。

もちろん、純粋に睡眠薬だけがどれだけ死亡リスクを高めるのかを調べるために、BMIや運動習慣、タバコ、お酒を飲む量などの死亡リスクに関わる要素も調整している。

その結果、調査期間である2年半の間でも、睡眠薬を使っていた人は、使っていない人に比べて死亡リスクが4.6倍も高かったのだ。

さらに、睡眠薬を使う回数が多ければ多いほど、死亡リスクも高まる。1年間で132錠以上つかっている人は、死亡リスクが5.4倍にもなる。

「月に1~2錠くらいなら問題ない」

と思うかもしれない。しかし1年間にたった18錠だけでも、使っていない人に比べて死亡リスクが3.6倍にもなるのだ。

さらに、がんの発症リスクが30~40%も高くなり、心臓病や脳卒中のリスクもあがる。

ダニエル医師の研究だけではなく、似たような研究は世界中で15以上あるが、どの研究でも同じように「睡眠薬は死亡リスクを高める」という結論になっている。

睡眠薬は免疫能力を下げる

なぜ、ここまで睡眠薬は死亡リスクやがんの発症リスクが高まるのだろうか?

本来、睡眠には免疫機能を高めたり、身体中の細胞の修復をする働きがある。しかし、睡眠薬を飲んで寝ると、自然な睡眠にあるような免疫機能をよくする働きはないようだ。

歳を重ねると睡眠の質が悪くなり、よく眠れなくなるため高齢者は睡眠薬をよくつかっている。しかし、高齢者になると免疫機能も衰えて、風邪や病気になりやすい。

そこに睡眠薬をつかうことで自然な睡眠がさらに阻害されて、免疫機能がさらに衰えてしまうのだ。そして、結果的に死亡リスクが高まると考えられている。

また、それだけではなく、睡眠薬は自動車事故にもつながる。

睡眠薬による眠りには疲れをとる働きがすくないため、翌日にも疲れが残っている。さらに、起きたあとも睡眠薬の効果が残っていたりするので、そうしたことが原因し、自動車事故につながるのだ。

製薬会社がこの事実を隠す理由

これだけ重大なデータがあるのに、なぜ未だに睡眠薬は処方されているのだろうか? なぜ製薬会社はこのデータを公表しないのだろうか?

その理由は、シンプルにお金だ。

睡眠薬は莫大な利益を生みだす。どれだけスゴいかは、スター・ウォーズと比べるとわかりやすい。

「スター・ウォーズ」は誰も知る名作だが、30億ドルの興行収入を稼ぐまでにはなんと40年以上も経過している。

しかし、一方で「アンビエン」という睡眠薬は、たった2年で40億ドルも売り上げている。

こうして比べると、睡眠薬がどれだけお金を生みだすのかがわかるだろう。

こんな金の卵を産むガチョウを、製薬会社みずからが殺すはずがない。したがって、今後も睡眠薬は処方され続けるし、製薬会社がこのデータを公表することもない。


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