翻訳者さんへの謝辞 書籍「心の傷は遺伝する」解説-11
このnoteはアメリカで心理療法の臨床をしているマーク・ウォリンさんという方が書いた「心の傷は遺伝する」という書籍を翻訳された野中さんへの謝辞を述べるものです。
書籍解説のシリーズとしては最終回になります。
書籍を翻訳をされた野中香方子さんや出版社の方が、このnoteを目にすることは、おそらく無いと思いますが、それでも御礼の言葉は述べておきたいのです。
翻訳者さんや出版社関係者さんへの謝辞
偶然書籍で見かけて立ち読みをしてみると、教義教学を理解している阿含宗会員信徒からみれば、阿含宗開祖がそれこそ40年以上前からずっと主張してきた霊障の理論が現代の心理学の言葉を用いて説明されていました。
人間の不幸とは霊障から発するものが大半であり、霊障を受けると霊障を発している人物と似たような不幸な人生を送ることになる。この似たような人生を送ることを阿含宗では運命の反復現象と呼んでいます。
霊障解脱をしなければ人生は絶対に前に進まない。
だから霊障を消滅させることが阿含宗会員信徒の修行の最重要課題であり、最優先に行うべきことです。
これが阿含宗の霊障に関する教義教学の根本です。
この書籍では、阿含宗で言う霊障をトラウマの世代間連鎖とよび、運命の反復現象を同化という言葉で表現しています。他にも阿含宗の概念の言葉を心理学の用語で説明されていました。
世界は捨てたものではない、こういう人物が世の中にいるのかと本当に驚きました。
そして、こういう貴重な書籍を日本語に翻訳してくれていることに感謝しました。
その後、自分の周辺の阿含宗会員信徒に書籍の話をしてみたところ、反応はゼロでした・・・。
自分の説明が悪かったのでしょうが、なんと言いますか、すいませんでした。
自分に対して霊障・トラウマの世代間連鎖を引き起こす先祖は、祖父母や曽祖父母の代がボリュームゾーンであるという説明は、これも阿含宗の教義と同じです。
そしてnoteというサービスを利用して文章を読んでいるであろうユーザの祖父母や曽祖父母は第二次大戦の渦中にいた人々です。戦争で大量虐殺を行った当事者や責任者、戦死者、戦病死者、日本にいながら空襲その他で亡くなった人々、そういう人たちを祖父母、曽祖父母に持つ我々の世代は、これらの人々の怨念、霊障、世代間連鎖のトラウマが直撃している世代です。
第二次ベビーブーム世代=就職氷河期世代以降の人々は、政府の失政もあって多くがフリーターとなり、結婚する経済的機会すら与えられず、もうすでに色々と手遅れで挽回できそうにない世代がずっと続きます。
仮に結婚ができても、多くの家庭はやはり経済事情で子供を持つことが難しい。
よって多くの家系、家庭が我々の世代で御家断絶します。
御家断絶という家系の不運、家系のレベルでの運命の星は、いったいどこから来るのか?といえば、第二次大戦で子孫を残すことなく戦死した人々、あるいは家族全員が戦争に巻き込まれて亡くなってしまった人々等々の運命の反復現象、トラウマの世代間連鎖による可能性が高いわけです。
書籍「心の傷は遺伝する」の事例を日本に割り当てて考えたならば、第二次ベビーブーム以降の世代の我々は、第二次大戦という不幸のトラウマを世代間連鎖をしている世代に該当するから、そこに由来する不幸な人生を送ることになる可能性が高いですよ、ということを、まず伝えたい。
そこまで大きな話にしなくても、現在進行系で家庭事情に困難を抱えている人が縁があってこの一連のnoteを見て、思うところがあるけれども、いきなり宗教団体の書籍を読むことは抵抗があるならば、その前に「心の傷は遺伝する」を読んでもらえれば良いのではなかろうか、と考えています。
こういう視点、観点、現象があるのだということを、一定以上の知的水準を有した人に知ってほしい、そして読者自身とその家庭状況はどうなのか考える機会を持ってほしいと願って書いております。
力作の翻訳、ありがとうございました。
最期に、第二次大戦で戦死した若い世代の人たちの祖父母、曽祖父母は幕末維新・戊辰・西南戦争の渦中にいた世代の人々です。