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Everything I am / Kanye West 和訳(解説付き)

Everything I am


lyrics


Damn

Here we go again

Common passed on this beat, I made it to a jam

Now everything I’m not made me everything I am.

Damn, here we go again

People talking shit, but when the shit hit the fan

Everything I’m not made me everything I am


I’ll never be picture-perfect Beyonce

Be light as Al B or black as Chauncey

Remenber him from Backstreet? He was black as the street was

I’ll never be laid back as this beat was

I never could see why people’ll reach a

Fake-ass façade that they couldn’t keep up

You see hoe I creeped up?

You see how I played a big role in Chicago like Queen Latifah?

I’ll never rock a milk coat in the wintertime like Killa Cam

Or rock some mink boots in the summertime like will.i.am

Let me know if you feel it, man

‘Cause everything I’m not made me everything I am


Chorus

Damn, here we go again

Everybody saying what’s not for him

But everything I’m not made me everything I am

Damn, here we go again

People talking shit, but when the shit hit the fan

Everything I’m not made me everything I am


And I’m back to tear it up

Haters start your engines, I hear ‘em gearing up

People talk so much shit about me at barbershops

They forget to get their hair cut

Okey, fair enough, the streets is flaring up

‘Cause they want gun talk, or I don’t wear enough

Baggy clothes, Reeboks or A-di-dos

Can I add that he do spaz out at his shows

So say goodbye to the NAACP Award

Goodbye to the India Arie Award

They’d rather give me the Ni-Nigga Please Award

But I’ll just take the I Got a Lot of Cheese Award


Damn, here we go again

Now everything I’m not made me everything I am.

Damn, here we go again

People talking shit, but when the shit hit the fan

Everything I’m not made me everything I am


I know people wouldn’t usually rap this

But I got the facts to back this

Just last year, Chicago had over six hundred caskets

Man, killing’s some wack shit

Oh, I forgot, ‘cept for when niggas is rappin’

Do you know what it feel like when people is passin’?

He got changed over his chains a block off Ashland

I need to talk to somebody, pastor

The church want tithes, so I can’t afford to pay

Pink slip on my door, ‘cause I can’t afford to stay

My fifteen seconds up, but I got more to say

That’s enough Mr.West, please, no more today


Chorus



和訳

くそーああ、またか

コモンがこのビートを受け取らなかったから俺が素晴らしい曲にしたぜ

俺ではない全てのものが俺の全てを作った

(自分を表すものでないものが自分の性格に影響を与えてなりたい自分になっているということ、このセリフは、カニエが他の人とは違うと感じていることを表している。彼は、自分が本当に一人の人間であると感じていて、時には、のけ者にされることもあると言っている。他の人の期待に沿わないという選択が、彼を一人の人間として定義し、自分自身の感覚を与えている。)

くそーああ、またか

(Public EnemyのBring The Noiseの曲中でChuck DがHere we go againと言う部分のサンプルをDJ Premierがカニエのhere we go againの頭にスクラッチしている)

人々はくだらない話をするが、いざよくないことが起こると

俺ではない全てのものが俺の全てを作った

(カニエは、人々の期待に応えることはできないし、自分は常に欠点を持っているが、これらの不完全なものが、自分という人間を構成しているのだという結論に達している)


俺は絵に描いたようなビヨンセにはなれないし、

(カニエは文脈を無視して勝手に解釈されていると訴えていて、ビヨンセは文脈を無視する余地を与えていないとインタビューで語っている)

ビヨンセ

Al. Bのように明るい色にもなれないし、Chaunceyのように黒くもなれない。バックストリートの彼を覚えてるか?彼は“ストリート”と同じくらい黒かった

(Chauncey HannibalはR&BグループのBlackstreetのメンバーで色黒であり、Al. Bは色白である。道の色が黒いことと、ストリートのライフスタイルが黒人文化との関係が深いこととかけている。カニエは自分が白人らしくも黒人らしくもないと言っている。)

Chauncey Hannibal

俺はこのビートのようにのんびりすることもないだろう

俺は何故人々が維持できないダサい見た目にたどり着くのかが理解できない

俺がどうやって這い上がってきたかわかるか?

クイーンラティファのようにシカゴでどうやって大活躍したかわかるか?

(クイーンラティファはミュージカル映画“シカゴ”でMatron Mama Mortonを演じアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた)

Queen Latifah

俺はKilla Camのように冬にミンクのコートを着たり、

(Cam’ron AKA Killa Camはミンクのコートをよく着ることで知られている)


ミンクコートを着るKilla Cam

Will.i.amみたいに夏にミンクのボーツを履いたりはしないぜ

(Will.i.amはBlack Eyed Peasのメンバーで、夏にブーツを履く姿を目撃されている)

そう感じたら教えてくれ

俺ではない全てのものが俺の全てを作ったから

(このバースの中でカニエはさまざまな有名なアーティストの名前を挙げているが、彼らは今のカニエに影響を与えた人たちではない)


くそ、ああまたか

みんな自分に合っていない事を言う

でも俺ではない全てのものが俺の全てを作った

くそ、ああまたか

人々はくだらない話をするが、いざよくないことが起こると

俺ではない全てのものが俺の全てを作った


そして俺は大騒ぎしに戻ってきた

俺を嫌いな奴らがエンジンをかけてギアを上げているのが聞こえる

床屋では俺の悪口を言いまくり

彼らは髪を切るのを忘れる

(床屋はよく噂話をする場所になっている)

分かった、分かったよ、ストリートが盛り上がっているのは、銃の話をしたいからか、俺の服装が足りないからだ

バギーウェア、リーボック、アディダス

(バギーウェアはヒップホップでよく切られていたファッションで、カニエはトレンドをタイトな服を着ることで変えた。カニエはストリートでよく履かれていたリーボックやアディダスなどのブランドではなく、ルイヴィトンやエルメスなどのハイブランドを好んで履いていた。カニエウエストのイメージを独自のファッションで作っていった)

ぶかぶかの服をラッパーは好んで着ていた

彼はアワードショーで暴言を吐くことも付け加えておこう

(“服のスパッツ“と”カッとなる“と言う意味のspaz out とかけている。

カニエは、T-Swizzle事件以前から、アワードショーで暴言を吐くことで知られている。カニエは、自分がブラックコミュニティから真剣に受け止められていないと嘆いていましたが、それは彼が描くイメージのせいでもあるし、常に口走って問題を起こしているせいでもある。)

NAACP賞とはお別れだな

インディア・アリー賞ともお別れだ

むしろ、“Ni-Nigga Please”賞をくれようとしている。

でも僕は"チーズがいっぱい"賞をもらうよ

(カニエは実際に2005年にNAACP賞を受賞していて、インディア・アリーの言及は、彼女が2002年にグラミー賞に7回ノミネートされたものの、一度も受賞できなかったことを指している。このことから、何度もノミネートされているのに受賞できない人に与えられるこの架空の賞も受賞できないと皮肉っている)


Chorus


人は普通これにつてラップしないだろうが、俺はこれを裏付ける事実を見つけた

去年シカゴでは600以上の殺人があった

殺しはマジでクソだ

(シカゴでは1968年から2003年まで毎年殺人が600件以上起きていた。この曲がリリースされた2007年の1年前の2006年はシカゴの殺人は471件なのでカニエは間違っていたことになるが、2005年は602件なので、おそらくカニエはこの曲をアルバムのリリースよりもかなり前に書いていると思われる)

ああ、忘れていたよ、ニガがラップしている時以外はね

(ラップで”killing it”ということは、優れたラップをすることでいいことになっている)

人が死ぬ時どう感じるか知ってるか?

ある男が派手な宝石のためにアッシュランドから1ブロック離れたところで殺された。

(Changeが殺されると言う意味で使われている)


Ashland Avenue

誰かに話したいんだ。牧師さん

協会が十分の一税を要求するから俺は払うことができない。

(十分の一税とは、ユダヤ人やキリスト教徒等が宗教組織を支援するため支払う、ある物の十分の一の部分のこと)

立退通知がドアに貼られるから住むことができない

(ピンクスリップは立ち退き通知のこと。カニエはシカゴから引っ越す前に、本当に立ち退きを迫られたことがあるが、それは家賃が払えなかったからではなく、「(自分の)家に交通量が多すぎた」からだと彼は言っている)

俺の15秒の名声は終わるが、まだ言わなくちゃいけないことがある

(カニエはプロデューサーとして名声を得たがすぐ消えていくものと思われていた。このことを1stアルバムのLast callで15秒の名声と言っている)

もう十分ですよMr. West今日はもういいですよ


Chorus


解説


『Graduation』の10曲目で、カニエは自分の個性は今の自分を作ったものであると主張しています。

プリンス・フィリップ・ミッチェルの「If We Can't Be Lovers」とパブリック・エナミーの「Bring the Noise」がサンプリングされています。


カニエにないものは“控えめ、内気、無気力、貧乏、ギャングスター”ですが、自分を表していないものが、なりたい自分に合わせて人格に影響を与えることはよくあります。

これらの特徴が組み合わさって、今のカニエの姿“傲慢、フィルターを通さない、金持ち、スタイリッシュ”が形成されています。

この曲は、「Touch the Sky」とテーマが似ていて、自分の欠点や過ち、そしてそれらがどのようにして今のYeezyを生み出したのかを語っています。

そしてこの曲はカニエの自我の支点、分岐点としての役割を果たしています。アルバム『Graduation』のちょうど真ん中に位置するこの曲は、それ自体が今日のカニエを支配しているような孤独でアバンギャルドなカニエと、彼のより温かくて、よりイースト的なルーツに半分ずつ引き寄せられたものです。単なる内省ではなく、自己陶酔的な傾向が一度や二度はあるこの曲の魂の探求は、カニエが自分の進化を自覚しているという、その分岐点を象徴しています。



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