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フランス語には「安い」がない

フランス語を勉強し始めて驚いたことの一つに、

フランス語には「安い」に当たる単語がない、ということがあります。

日常的にすごく使う単語なのに、なんで?と今でも疑問です。


「安い」と言いたい時、どう言うのかというと、

"cher"(値段が高い)の否定形を使って

 "pas cher"(高くない)と言ったり、

"bon marché"(良い買い物)と言ったりします。


きちんと理由を調べたことはないですが、

私はこれ、フランス語という言語を象徴しているような気が、なんとなくしてます。

「安い」ということに価値を置かない、価値のあるものには相応の値段を払ってしかるべき、という貴族的なメンタリティをそのまま引き継いでいるというか・・・

そして、すぐに新語を作ったりしない。「ない」ことを大切にする。


あと、フランス語では、なにごとも直接的に言うのはエレガントじゃなくて、否定形を使ったり、婉曲表現を使ったりするのが上品なのだとか。


「この服めっちゃ安かった〜」なんていうのは全然エレガントじゃなくて、

「この服、そんなに高くなかったんですよ、ホホホ」と否定形で言うのがエレガントなんだそうだ。

「それ、ダメだよ」って注意するときも、"C'est pas bien"(よくないよ)と否定形で言うし、レストランで出てきた料理が美味しくなかった時は、"C'est intéressant"(興味深い味だね)と超婉曲的にけなしたりするらしい。


フランス語って驚くほど保守的で、その伝統をきちんと守るフランス人の姿勢もすごい。

こういうところがとても好き。



パリのドタバタ日記はこちらです→
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