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1に読み聞かせ、2に読み聞かせ、3にも読み聞かせ 

子どもの頃から本を読むのが好きでした。母親が幼少期に絵本をたくさん読んでくれたこと。また、父親もとにかく本が好きな人で、気づけばいつも何かしら活字を読んでいた姿が思い出されます。家には本が溢れかえっていましたが、それにも飽き足らず、毎週土曜になると、父は私や姉を図書館に連れて行ってくれたものです。そのため、図書館への愛着は大人になった今も変わらず。アメリカで利用している図書館は単に本を貸し借りする以上の役割を果たしていると常々感じており、とても注目しています。(図書館レポは、ぜひまた別途機会を設けたいと思います!)

そのような原初体験があるせいか、いざ自分が子育てを始めた時、「本の読み聞かせ」というのは、初めて親になって戸惑っている自分が唯一確信を持って行えた、親子のコミュニケーションの方法だったように思います。

赤ちゃんの頃から、夜寝る前に日本語で本を読み聞かせるというのは、一種の入眠儀式となっており、6年経った今もほぼ毎日続いています。

なぜ「読み聞かせ」?

「読み聞かせ」が子どもの言語習得に効果的であるというのは、継承語に限ったことではありません。しかし、複言語環境で育つ子どもにとって、二言語(あるいは三言語)で日常会話はできても、少数言語のリテラシーの習得・発達は難しいとされていることから、幼い頃から子どもが継承語の活字に触れる機会を確保し、そして活字の読み書きや文章内容について話しあったりする社会対話の機会をもつことは、継承語リテラシー育成のために特に重要であると考えられます。このような幼児期から家庭やコミュニティで培ってきた継承語リテラシーが土台となって、その後のより抽象的な文章や概念の読解、記述、思考ができる教科学習言語能力(Acadmic language proficiency)を伸ばすことにつながるとされています。

さて、以下、「読み聞かせ」のモチベーションUPを目的とした我が家の実践例をご紹介したいと思います。

実践例:地元の図書館の企画「リーディングチャレンジ」に乗っかる

去年から、地元の図書館が夏休みに行っている「サマーリーディングチャレンジ」に子ども達と一緒に登録しています。(0歳から100歳以上まで誰でもエントリー可能ということなので、親も一緒にやります!)
図書館でエントリー用紙をもらって、本を20分読む/読んであげる/聞くごとに、スタンプ1つ、自分で押す。スタンプがたまったら、図書館に用紙を持って行って、賞品と交換してもらえる、という取り組みです。たまったスタンプに応じて、色鉛筆やノート、本がもらえます。加えて、50個フルでたまると、アマゾンギフトカードや地元のアイスクリーム屋さんで使えるギフトカード..が当たるかもしれないクジに応募できるということで、子ども達はやる気満々!(お目当てのアマゾンギフトカードは残念ながら当たらなかったですが、今夏こそはと諦めない子ども達)

去年参加した「サマーリーディングチャレンジ」のエントリー用紙

我が家の事情を知ってくれている図書館の司書さんが、英語でも日本語の本でも両方OKだよ、と太鼓判を押してくれたのも、嬉しいことでした。このように、現地で提供されている子どものための機会やリソースを継承語サポートにアレンジして使用することは、一見些細なことですが、実は、重要な意味があると考えています。というのも、子ども達がこれから生活していくアメリカ社会の中で、社会の中では優性言語ではない日本語を話したり読んだりする権利が保障されており、更には好意的に受け止められているというメッセージを幼い頃から家族以外の大人から受け取り続けることは、子どもにとって心理的・情緒的な面では大きな意義があるのではと考えるからです。

次回は、本を選ぶ時、また実際の読み聞かせの際に気をつけていることや、気づいたことについて書いていこうと思っています。

 

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