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視覚障害者にとってのインターネット - 【開封率第1位】2019年11月14日のニュースレター


インターネットの登場で、私達の生活は激変しました。

たった20年前、日本での普及率が20%程度だったインターネットは、スマートフォンの影響もあり、現在では80%近くにもなっています。

皆さんは視覚に障害を持つ方がコンピュータをどう使っているのか、想像したことはありますか?

彼らがインターネットを利用する時には、スクリーンリーダーというソフトウェアを使います。

WindowsやiOS、携帯電話にも標準搭載されており
コンピュータ画面を読み上げるものです。

しかし特にウェブサイトを読み上げるときには、その作り方の問題で、ほとんど意味をなさないサイトが多くあります。

「リンク」「リンク」「サーチボタン」
「グラフィック」「インターナルリンク」…

今日はそんなウェブアクセシビリティの話題です。

【本日のピックアップニュース】

アクセシビリティのソフトウェアを作っている会社が8月に行った調査( https://accessibility.deque.com/nucleus-accessibility-research-2019 )によると、

ECサイト、ニュースサイト、政府関係サイトなどを含む70%のウェブサイトが、読み上げることが難しい”癖”のある作り方をしているそうです。

別の調査では、上位100万のホームページのうち、アクセシビリティの標準を満たしているサイトはたった1%だったとのこと。

米国では1999年にAOLが提訴され、オンラインのアクセシビリティは公民権問題だと主張されました。

同じ年、World Wide Webコンソーシアムは、最初のウェブアクセシビリティのガイドラインを定めデザインに関する14の推奨事項を決めています。


しかし、それからもウェブサイトのデザインは、新しい技術や流行りによってどんどん進化し、そのことがアクセシビリティに問題をもたらす場合も出てきています。

これはきっと、サイトを作る人にもアクセシビリティについての知識が足りていないこと、意欲はあっても間違えた内容が流布していることも影響していると思われます。

Googleはアクセシビリティについても積極的に取り組んでおり、先日も法定盲人でありGoogle東京オフィスのビジネスアナリストの方が、Googleマップのチームと協働し視覚に障害を持つ方に向けた新しい機能を発表していました。

テクノロジーの進化は、障害があったとしても
それを乗り越え様々な活動ができるよう手助けしてくれる、素晴らしいものだと思います。

しかしやはりそれだけでは足りなくて、少しでも多くの人が、その立場になったときにどのように感じ、行動し、体験するのか、想像力を働かせ、お互い助け合えるよう心を開いておくことが大切です。


私は目が見えるので、「見える」とはどういうことなのかを意識して伝えていきたいなと思った時、「見えない」ことがどういうことなのかを体験し想像し比較しないと、「見える」についても伝えられないことに気が付きました。

加えて、人間は相対性の中でしか概念を捉えられないのだなと再認識しました。

そしてこのように、比較のありがたさに気づかせてくれる「障害」は「違いがあることへの感謝」なのだな、とも。


※「障害」の表記に関しまして現在様々な議論がなされている表記ですが、こちらの考え方に賛同し、今回のニュースレターでは「障害」で統一いたしました。
https://whill.jp/column/16_shougai

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