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母と70年代のオシャレ

実家から持ってきた私のアルバムには若かりし頃の母がいる。

私が第一子を出産したときには、産後の手伝いにアパートまで来てくれて、一週間ほど一緒に過ごした。

辛い出産を乗り越えて、子供と一緒に穏やかな産休生活が訪れるのかと思っていた私は、数時間おきの授乳、寝付かない子のエンドレス抱っこでヘトヘトだったが、母はそんな私にこんな話をしてくれた。

「あなたが生まれて、オシャレのことなんか全く気にかける余裕がなかったけれど、
あなたが3歳になったとき、やっと髪を切りに行けた。そして、電車に乗ってあなたと一緒にデパートに行ったのよ。あなたにも可愛い洋服を着せて、小さなバスケットを持たせて…それがすごく嬉しくてね!」

ようやく成長した娘と一緒に、活気あふれる街の雰囲気を味わうことができたという素直な気持ちが直接届いて、そうだよね。よかったね。という温かい気持ちになって涙が出そうになった。

確かにようやくちゃんと歩けるようになってから、色々なところに出かけたときの写真が多く残っている。

母はたぶん当時流行っていた、パンタロンや、とっくり(ハイネック)セーターや、ハイウエスト気味のボックスワンピースなどを着て、幼い私と一緒に写っている。

小学生の頃、そんな昔の写真を妹と見ては「お母さんの服、めっちゃ古臭いー」と言って笑うと、
「昔は猫も杓子も皆こんなの着てたんだから! ちょっと前まであんたたちにと思って大事に取ってあったんだけど、さすがに時代遅れかなと思って捨てたわ」と言っていたのを思い出す。

今回、ファッション史を学び、母の着ていた服はまさに70年代の流行だったことを知る。

べつに母は特別オシャレに詳しい人ではないので、その時代の流行というものがいかに遍く浸透しているかを痛感した。

さすがにもう着れないと思うけど、お母さんの着ていた服を実際に見てみたかったな。と思う。

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