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今のコーヒーの動きを「ファッション」にしたくない。

こんにちは。

私は今、メルボルンでバリスタをしています。
メルボルンは世界的にも有名なコーヒータウンです。
コーヒーの世界チャンピオンも軒並みこの街にカフェを建てては、このコーヒーの街に新しい風を運びます。

そんな中でバリスタとして働けていることに胸を張りつつも、日本のコーヒー文化も面白いぞ!と強がっている今日この頃。


さて今日はそんなコーヒーの文化について、僕がそうなってほしくないという願いを込めたお話をしていこうと思います。
それはふと、こんな光景を垣間見たから。

そう、このコーヒーの街の文化。
今その文化に新しい風が吹き込んでいます。
今日はその新しい文化を「ファッション」にしたくない、というお話です。


世界のコーヒーのトレンド


①牛乳に代わる、アーモンドやオーツミルク
②Reusable Package
③「早いコーヒー、遅いコーヒー」

①牛乳に代わる、アーモンドやオーツミルク
コーヒーの街、オーストラリア・メルボルンでは、このアーモンドミルクやオーツミルクのような牛乳の代替品は、既にどのカフェに行っても見られます。

グルテンフリーやベジタリアン、ヴィーガンも多いこのオーストラリアでは、当然のようにミルクにこだわります。
一回あったのは、今僕の働いているカフェではオーツミルクを出しておらず、それでお客さんがないなら買わないと言ってお店から去りました。
それだけこだわりの強い方が多いんです。


②Reusable Package
コーヒー豆を購入するときに、そのお店特有のデザインの描かれている袋にそのお豆が入っていますよね。


メルボルンでも有名な、Market Lane Coffee。
そこではコーヒー豆の保存容器を店舗で売り、それをコーヒー袋の代わりにしてお豆を詰めてもらう仕組みを始めました。
これによってコーヒー袋に使われる余分なプラスチックや紙を削減できます。

https://marketlane.com.au/journal/returnr-cups-canisters

そしてこのキャニスターは、必要なくなれば返品返金可能。
サスティナビリティの観点からも全く無駄のないコーヒーサイクルですね。


③「早いコーヒー、遅いコーヒー」
コーヒーの街メルボルンは、ロックダウンの中でもコーヒーを買いに来るお客さんが列をなしていらっしゃってくれます。
しかしそんな中で、コーヒーの形に少し変化が生まれたように感じます。


それは、「家でコーヒーを飲む」という変化。
コーヒーを飲むために外に出ることすら感染のリスクが高い。それでもコーヒーを飲みたい、となると、「おうちコーヒー」が一番安全にコーヒーを飲める。

ソーシャルディスタンスで人との距離を保たなければなりません。
カフェでも必然的に列をなしてしまい、待ち時間が長くなってしまいます。
だったら家で淹れたほうが早い。

もっと早く手軽に、且つ簡単に美味しく作れるコールドブリューや水出しコーヒーが人気を得ているのは、そういった背景がありそうです。


ファッション

僕の中で、「ファッション」は流行。服に対してファッションという言葉を使うことが多いですが、ここではライフスタイルや文化に対する広義のファッションの意味合いでお話します。

服に限らず、様々な分野で流行りのものが世に出ては消えていきます。
コーヒーも、時代ごとに様々な形に変化しては淘汰され今の形になりました。

今、コーヒーも上記の3つの流行りが世界的に起きています。
それはあくまで海外の記事と僕の肌感覚での考察なので、その他にも様々なトレンドは起きているはずですが、少なくともそれら3つに共通すること。

それは、

「環境問題への取り組み」

です。


僕は今日のコーヒー文化に見られる「環境問題への取り組み」の動きを、ファッション、つまり流行で終わらしたくない。

「コロナのせいで仕方なく」ではなく、コロナをきっかけに起きているこの世界的な環境ムーブメントを、コロナ以後も当然のように続けていきたい。

僕はこのコロナを、環境に配慮した新しい文化隆興のチャンスだと思っています。




今のコーヒーの動きを「ファッション」にしたくない。

ただどうしても新しいこと、というのは人々になかなか受け入れられないのが現実です。

でも。
世界共通の「敵」がいる今だからこそ、世界中のみんなでこの波に乗ることができる。そんなこと、後にも先にもないと思うんです。

「コロナだし、せっかくだから感染拡大予防のためにもリユースのもの使ってみよう」
「コロナで地球環境がだいぶ変わったらしい。調べてみよう」

老若男女問わず、この動きになればそれはファッションにはならず、文化になっていくはず。その動きの一員となって、これからもコーヒーを美味しく飲み続けられるように、動いていきます。





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