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「ありがとう」に慣れていたかもしれない。


ルワンダに住む日本人の方とお話する機会があった。
その人と話している中で印象的に残っているのが、「オーストラリアではありがとうの返しは何て言っていますか」という質問だった。

考えたことがなかった。You're welcomeではなく、見よう見まねで使っていた言葉があったのだがとっさに出なかった。



ルワンダではこういうらしい。
"Thank you, too"

日本語で訳せば、「こちらこそありがとう。」
もちろん状況によって使い分けるだろうから、すべてそうとは言えないはずだが、一つ、ルワンダの人たちの温かさを感じた。

そう聞いているうちに、とっさに思い出した。そういえば、Thank youに対してこう返事していることが多い。
"No worries"

心配いらないよ。大丈夫だよ。みたいな感覚だろうか。
大きな懐でかばっと覆い包まれるように寛大に感じる。

「ありがとう」の返し一つだけで、こうも国民性がでるのも面白い。



さて、では日本語はどうだろうか。
ぱっと思いついたのが、「いえいえ」

細かなニュアンスを紐解くと、そこには何か謙遜のような、へりくだった意味合いが込められている、と僕は思った。
自分は大したことしてないよって。

なんだか、自分を下げることで相手を上にあげているような気がする。
でも感謝されているのに自分がなぜ下にでないといけないのか。
そもそも感謝に上下なんてあるんだろうか。

「ありがとう」という言葉に対して、反射的に「いえいえ」と答えていたら、もしかしたら感謝に慣れてしまっているのかもしれない。「ありがとう」は「有難い」のだ。する側もされる側も慣れてしまってはいけない。

一言、付け加えてみよう。
こちらこそ、ありがとう。
心配要らないよ。ありがとう。

なんだかこれだけでも、より感謝がお互いに気持ちよく、「有難い」ものに感じられる。


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最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の記事は、こちらの収録を元に加筆しました。
こちらもお聞きいただけたら嬉しいです。



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