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マイクロノベル集/『願いを叶えてやろう』 003
011(589)
悪魔よ去れ! 貴様の魂胆などお見通しだ!! 突然才能に恵まれた美しい男性が現れ「君と結婚できないなら生きる意味がない!」と必死のプロポーズを受ける。そんな彼と何気なく買った宝くじで十億円ゲット。それを元手にして……どこへ行く!?
012(608)
お前の願いを叶えてやろう。え、よくわかんない? きみいくつ? 4才かあ。食べたいものとか。叶えたい夢はないかい? うーん。うーん。ああもう面倒くせぇ! いつまでもダラダラ悩んでろ。お前が将来なりたいものになれる世界を作っておいてやる!!
013(615)
きみ、自信を持つんだ。人類には隠された情報を見抜く能力が備わっているんだよ。ほうら、この箱に秘められた力がわかるだろう。いまなら300円!……ああ、行っちゃった。願いを叶える悪魔の箱、人気がないなあ。俺は悪魔なのにちょっと自信なくしちゃうよ。
014(616)
この薬を飲めば、きみの秘められた力が開花するぞ! うん、まあ、きみが望む力とは限らないけどな。なかなか似合ってるぞ、その中年になったあとの渋顔。
015(649)
悪魔は困惑した。魔王様が夏のボーナスとして我々の願いを叶えてくれるという。無茶を言っていいのか? 魂を取られるのでは? 勤勉な悪魔を装った方がいいのか? 「忘れるな。人間から願いを聞き出せない理由はその気持ちにある。きりきり働け」悪魔!
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