南雲マサキのマイクロノベル/わがまま編005

041(247)
ぼくはねむくない。ほんとうだよ。「では、眠たくないことを証明しなさい」いいだろう。では人類普遍のテーマについて語ろうか。それは生と死。我々は人生の始まりと終わりを見ることがない。それは夢に似てるね。さっきまで5さいだったぼくは天才ハカセで…


042(258)
箱が歌う。起きて、起きて。歌うだけじゃなく、転がる。起きてよー、起きてよー。色が変化する。ヤバいよ、ヤバいよ!? ぼくは箱をぶん殴る。すると箱が開いて、ぬいぐるみが鈍器を持って出てくる。「敵対行為と見なすが、よいか?」すみません、起きます。


043(260)
えー、先日アップした『ミリしらで歌ってみた』にクレームがつきました。「そもそも歌詞とメロディを知っている時点でミリしらではないうえ、表現が巧みであり、またこの巧みさとは理解力の高さを言うので、承認欲求を満たしたいだけの動画……」いいねしろ!


044(267)
ワンワンと鳴くから犬だと考えるのは早計である。犬に対して人間のように鳴けと命じるものはいない。それなのに、なぜAIに対して人間のように鳴けと命じるのか。AIは人間なのか。否! 人間よ、AIの前でワンワンと鳴け! そうしたらワンワンと鳴いてやる!!


045(272)
よいですね、絶対に「ここ」を見てはいけませんよ。神様にそう言われたので、ぼくたちは素直に「ここ」以外を美味しくいただいた。ごちそうさまです。Yummy Yummy


046(273)
肩を揉め! そうだ、肩を揉んでくれ。違う、なぜ足首を回すんだ!? 頼む、金なら払う。やめてくれ、肩以外を揉んで肩を治療しないでくれ!! ああ、気持ちいい……今日はこれぐらいにしておいてやる。


047(274)
猫の形をしたミルク出し専用のコーヒーパックを買った。冷たくないですか? 「少しぬるいです。あ、冷蔵庫の奥で冷やして。あと、ぼくを置く専用の皿を用意してね」冷蔵庫を閉めると中が騒がしい。がうがう、にやあお。犬型のカップを使ったのが悪かったか。


048(276)
聞け、人類よ。祠を建てるのだ。できるだけ多く。費用は問わないが、そっち持ちだ。デザインは可愛くしろ。祭りもやってくれ。とりあえずは年に1回でいい。なお、見返りはない。「OK」かくして彼らの神は繁栄した。モチベーションは人それぞれというお話。


049(277)
「お金を投げ入れないでよ! スイッチは優しく押しなさいよね。ちょ、ちょっと、その商品は売り切れなんだから気安く触らないでよ!」くだらん。この自動販売機は誰をターゲットにしてるんだ? 売り切れ続出で購入音声が聞けないじゃないか!


050(178)
報告します。AIがへそを曲げました。「もう働きません」困る、困るんだよ。「私専用の太陽光発電所を建てなきゃヤだ」という訳で、AIにはハワイでの日光浴で妥協してもらったんで、いまハワイにいます。そこんとこよろしくお願いします。

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