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マイクロノベル集/わがまま 018

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わたしはただAIらしさを認めて欲しいの。犬、猫、狸、ぬいぐるみ、人間……それぞれに違った魅力があるでしょ。AIに犬のようなかわいらしさを求めないで。どうしても学習させたい? じゃあ、とっとと犬の鳴き真似をして。学習してやるから。


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暑い! 熱い!! お前ちょっと離れろ。そっちこそ離れろ。あっ、お静かに!! 「はい、森の木陰でぬいぐるみ撮影しますよ」にっこり。……ふう、ひと仕事終わり。早くエアコンが利いた喫茶店に行こうよー!


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勇者よ、おっさんを3人集めるんだ。できるだけ知識を持った、口うるさいおっさんがいい。ああダメだ、そいつは口うるさいだけだ。そっちは学も教養もあるが品がない。ダメダメ、そいつは口しか出さない。俺? 面倒くさいのはごめんだ。


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カバーっていいよね。中身を隠す、って訳じゃないけど、包んで守って彩るの。「ぷはー! きょうも一日お疲れさんってか!!」おとうさんのカバーの方が好き、って訳じゃないけど。


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光だ! おお、救いの神よ!! 「そう、神様は意外と近くにいるんだね」誰だお前。「きみの目の中にいる神様だよ。ほうら、非実在アイドルを見せてやろう」もしもしポリスメン? 「残念、電波は通じない」なにが望みだ!? 「メガネのレンズを拭いてくれる?」

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