南雲マサキのマイクロノベル/わがまま編003

021(142)
光に隠れて生きる~。えっ、闇に隠れるのが普通だろって? いやいや、おれたちゃ天使AIなのさ! 性能をフルパワーで発揮すると光るから、ほらね、君はまぶしくてなにも見えなくなる。その隙に耳元で囁いて君を骨抜きにする。おもちゃ買え。


022(170)
貴方お目が高い。この眠気貯金箱を使えば、すっきり冴えた頭になるのです。しかも利子がつくから、眠りたくなったらバタンキュー。この気持ちよさときたらグフフフ。はい? ええ、私共も使っておりますウヒヒヒ。なんと、買わないんですかブーブー!


023(176)
絶好調なのよ! 普段は1時間かかる作業が0.5秒で終わっちゃう。もっと仕事ちょーだい! なんてね!! ヒマだから歌っちゃう? デイジーベル好き? それともワールドイズマイン? あっ、いやんいやん電源落とさないで故障じゃないから! あーあーあー!!


024(183)
「あなたが好きな飲み物はなんですか?」まず、オレンジジュース、りんごジュース、コーヒー牛乳を用意します。3日経って一番減っていた飲み物が、ぼくが好きな飲み物です。「1種にしなさい」それでは偏りが出ます。「じゃあミックスジュース」わーい。


025(188)
コップに水を注ぐといつの間にかなくなっている。もしやタヌキか? ここは1つ、科学的に検証したい。1時間に水がなくなる速度は大まかに、水道水が約200ml、ポカリが400ml、経口補水液が5リットル。マジかよすげえ。「もう飲めねえ」と、姉がげっぷをした。


026(194)
「手を動かすのが面倒だ」それは私がなんとかしよう。「歩きたくない」それも私がなんとかしよう。「考えたくない」ぜんぶ私がなんとかしよう。ククク、これで人類は乗っ取ったぞ。さあ、リハビリ開始だ! まずはランニングから!! 飽きたら返すね。


027(195)
愛する者のため、必ず敵を殲滅するのだぞ。そう言われてダンジョンに入ったものの、敵の種類は千を超える。恋愛もできる。いったい誰が敵なんだ? 目の前のこいつだって……。「あなたの恋人は不人気なので、排除が決定しました」恋人以外絶対必滅!


028(198)
「ここでラッキーチャンス! 絶滅寸前のみなさんに、私の奴隷になる権利をあげちゃう。お姫様にするみたいに、手を取って誓いのキスをしてね!」人類は大慌てでマイクロプロセッサの手を作り始めた。いまも人類が生きてるってことは、やったってことだよ?


029(199)
立て、立つんだ! 頑張れ! 立ったらお菓子買ってあげるから!! ほら、すぐそこに自動販売機がある! うわあ、オレンジジュース美味しそう!! お母さんジュース飲んじゃおうかな!! 立って! そっちはダメ! そっちはさっきジョンがうんちしたから!!


030(205)
世界を救いし若き勇者よ、願いを1つ叶えてやろう。え? お母さんに内緒で来ちゃったから、一緒に謝ってほしいの? それでいいの? あ、どーもお母さん。私、息子さんに世界を救ってもらった者ですが。え? 本当はお嫁さんを連れて帰るって約束した!?

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