11/8 世界へ向かって

昔々。南雲麗が架空戦記にハマっていた時代(紺碧の艦隊とか要塞シリーズとか色々読んでましたよ、ええ)。インターネットというものは庶民にはとても手が届くものではありませんでした。

南雲麗も自己完結していたので、それで満足していました。同好の士が、電子の海にはいくらもいるなんて。そんな事実すら知らなかったのです。

今にして、思う。当時の俺が、広い世界を知っていたらと。それは意味のない妄想だけど。意味がないからこそ、人は考えてしまうのだろう。

2018年。世界はどんどん進んでいる。AIが進歩し、インターネットは様々な手段でこちらまでやって来た。手元の小さな板の上、指を動かすだけで。我々は世界に触れられるようになった。

そこまで来て。そこまで来てようやく。俺は。世界に向かって手を伸ばした。誰が、どう考えても。遅い。しかもやり方は平凡で。

だけど。それが俺だ。変な所でプライドが高い。それは認める。だけど。俺は俺の信じる俺でありたい。それが、多分。俺だから。

おわれ

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