女子3人チームが全国大会に出場! 大学問わずピアノでつながる名大ピアノ同好会
東山キャンパスの “山の上”から聴こえるクラシックピアノの美しい音色。音楽練習室で演奏していたのは名古屋大学ピアノ同好会のメンバーでした。3月下旬、全国から予選を通過した学生ピアニストが競う「全国大学生ピアノ選手権」に、同好会から名大の川本莉子さん(工学部2年)、金城学院大学の森愛子さん(2年)、下谷梨乃さん(2年)が出場。1,000人規模のホールで、日々練習を重ねた音色を響かせました。
“音大生以外”が出場するピアノ競技会
「全国大学生ピアノ選手権」は、“音大生以外”の大学生・大学院生が出場できるピアノ競技会として2023年度に新設されました。個人演奏ではなく、3人1組のチーム戦というのが最大の特徴で、異なる大学の学生とチームを組んで出場できるなど、自由度の高い競技会です。
昨年11~12月に開催された予選会は動画によるメディア審査で、全国から22チームが参加しました。1チーム10分の制限時間の中で、3人それぞれがピアノソロをリレー方式で演奏。ソロ演奏を1本の動画に編集し、大会のYouTubeチャンネルで公開されました。
審査員の評価に動画の再生回数や高評価数が加点され、高得点を得た11チームが本選出場権を獲得。名大ピアノ同好会からは2チームが参加し、川本さん、森さん、下谷さんのチームが予選を突破しました。
川本さんは「同好会の新入生交流会で仲良くなった森さんと下谷さんに誘われて出場しました。競技会は緊張するので苦手ですが、動画なら撮り直しもできるし良いかなと思って。予選通過するとは思ってもみなかったので、予選通過は結果発表の数日後に知りました(笑)」と、無欲の結果に喜びます。
川本さんたちが挑んだ全国の舞台
本選会場は「神奈川県立音楽堂」。収容人数1,000人を超すホールで、一般観覧もいるなかで開催されました。予選と同様、3人のピアノソロをリレー形式で演奏。3人全体のまとまりを意識してショパンの曲で統一しました。
本選の制限時間は25分と長いため、1番手の川本さんはテンポの速い曲、2番手の森さんは落ち着いた曲、ラストの下谷さんは華やかな曲を選び、雰囲気が違う曲をそれぞれが表現できるよう構成しました。
予選通過を機に、高校卒業時に辞めていたピアノ教室に再び通ったという川本さん。「ちゃんと弾けていると思っても、音の強弱や伴奏とメロディのバランスなど、細かなポイントは自分では分かりづらいので先生に指導を受けました」と本番に臨みました。
この春休みに入って猛練習したという下谷さんは「私が演奏する曲は10分弱と長い曲だったので、最後まで集中力と体力が続くよう日々長時間の練習を心がけました。また、楽譜をもう一度分析し直して、演奏で伝えたい情景を意識して練習しました」と明かします。
本選では惜しくも入選できませんでしたが、森さんは「とにかく楽しかったです!本番直前まで『今日は楽しもう』と3人で話していたので、演奏が終わってそう思えたことがうれしかったです」と満足しています。
近隣大学の学生も所属する「名大ピアノ同好会」
創設から30年ほど経つ名大ピアノ同好会。近隣の大学や名古屋音楽大学、愛知県立芸術大学など芸術系の学生も所属するインカレサークルです。ピアノ経験者だけでなく大学からピアノを始めた方まで90名ほどが所属し、約半数が名大生とのこと。
川本さんは「ピアノ教室に通っていても先生以外と関わることはほとんどありませんが、同好会ではピアノが好きな方たちとつながれたことがすごくうれしい」と、話します。
活動の場は、ピアノが4台置かれた山の上の音楽練習室。活動日は特に決まっているわけではなく、授業後や講義の合間にそれぞれが自分のペースで練習しています。年に数回、サークル主催の演奏会を開催していますが、こちらも自由参加。「誰でも無理なく活動できると思います。ピアノが上手な方ばかりなので、演奏を聴かせてもらったり、一緒に練習したりして、いつも刺激をもらっています」と、同好会の魅力を語ります。
名大に入学して一年、全国大会への出場や演奏会への参加など、同好会の活動に精力的に取り組んだ川本さん。「もっと上手になりたいです。大会では貴重な経験ができました。次回開催が決まればリベンジしたいです!」と、力強く語りました。
【リンク】
名古屋大学ピアノ同好会 Xアカウント
https://twitter.com/nagoya_piano
名古屋大学ピアノ同好会 Instagramアカウント
https://www.instagram.com/nu_piano_lovers_club/