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【名大URA通信】vol.46「URAが活躍してこそ大学が回る、と認知される価値を」

★新年度、学術研究・産学官連携推進本部にも新メンバーが加わり、新体制でスタートしました。こちらでメンバー構成をご覧いただけます。


[1] URAコラム|URAが活躍してこそ大学が回る、と認知される価値を

長島正明(ながしま・まさあき):宝塚市出身、出雲市育ち。鳥取大学大学院工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。鳥取大学産学・地域連携推進機構 准教授として、研究・産学連携推進に従事。2017年8月、本学URAとして着任。2022年より産学協創・国際戦略部門 部門長。

ー長島さんが着任されるときのことを覚えています。「鳥取大で”学長補佐”をしている人が名大に来てくれる!」と、内輪で話題になりました(笑)

ー(長島)ははは、そうですか。

ー学長補佐でもあった准教授から、URAに転身された理由を教えてもらえますか?

ー(長島)前任大学では研究者の立場で産学連携や研究支援の仕事も担当していました。地方の小さな大学ですから、地域・社会連携系の仕事はなんでもやっていましたが、自分の中では徐々に、企業との共同研究などの産学連携の仕事に注力したいという気持ちが大きくなったんですね。自分ひとりでできる研究は限られているけれど、他者と協働するともっと大きな、無限大の成果を出せる可能性がある、という点に面白さを感じました。
 そんなときに、名大で「組織 対 組織」の大型共同研究の構築を担当するURAを募集しているのを知って、応募しました。

ーちょうど「指定共同研究」制度が出来たタイミングでしたね。教員のインセンティブとして「教員共同研究参画経費」を積算する、当時としては画期的な制度でした。

ー(長島)先生方の「知の価値」を正当に評価しようというスキームで、現在では一般の共同研究でも、教員共同研究参画経費を積算できるようになっています。共同研究の成果を高めるには、先生方にいかにモチベーションを高くもってもらえるかが重要ですから、共同研究費の総額や、先生へのインセンティブ、研究陣容などの面で、先生方が共同研究に強い興味を持って取り組んでいただけるような環境づくりをしています。

ー元々、大学教員でもあった長島さんだからこそ、先生方の気持ちもよくわかるんでしょうね。

ー(長島)一方で、企業様側の満足も得ないといけないので、日々、企業様とコミュニケーションをとりながら、企業様が大学を活用できる柔軟な仕組みづくりも意識しています。私が着任時に最初に指定共同研究を契約した企業様とは、今でもお付き合いが続いているんですよ。企業様との信頼関係を築けているからこそ、長く続けてもらえているのかなと感じています。

スマートウォッチを愛用。スポーツジムに行く時間がないので自転車や通勤時の階段利用で体力維持。お子さんとの休日のお出かけや仕事終わりの無糖缶チューハイが癒し。自称「無趣味」。どこをつついても「ストイック」なイメージが崩れない(笑)。

ー長島さんは40代で部門長に昇任されましたね。異例の抜擢、という感もありました。

ー(長島)うーん、私の場合は前任大学での経験もあって、大学内部の制度やカルチャーがある程度わかるから、という面があったのかと思います。

ー共同研究制度の改革など、長島さんが進めた業績を評価されたからだと思いますよ! 部門マネジメントの点で心がけていることはありますか?

ー(長島)いろんな人が言っていますが、URAはわりと個人商店的な動きをすることが多いですよね。でも、担当者によって対応にばらつきがあるのは企業様にとって不都合です。なので、私の部門ではチーム全体のレベルを高めて、チームとして動く形を作っています。誰が対応しても大丈夫なように業務のマニュアル化も進めています。やはり部門長になってからは、組織づくりや人材育成についての関心が高まってきましたね。

ーずばり、今後、URA組織はどうなっていくべきでしょうか?

ー(長島)大学に必要とされるURA組織にならないといけませんね。URAは外部組織との交渉や調整、マネジメントなどを担う、本来はとても価値がある職種だと思っています。しかし今はまだ、そこまでの認知を得られていない。例えば共同研究は先生方と企業様だけで進めることもできますが、調整を円滑にしたり、望む成果を得たりするために、ぜひURAにも参画して欲しいと要望されるようにならないといけない。URAが活躍してこそ大学がうまく回る、と認知してもらえるよう、価値ある仕事をしていきたいですね。

[2] JST戦略的創造研究推進事業 CREST/さきがけ/ACT-X 攻略セミナー

JST戦略的創造研究推進事業(CREST、さきがけ、ACT-X)に採択実績のある先生方に、それぞれのご経験について紹介していただきます。本事業に関心をお持ちの研究者の皆様は、是非ご参加ください。
日時:2024年4月26日(金)15:00~16:00 *オンライン
・内容:
ー採択事例①CREST「多様な形態の現実を安心・安全に創り・繋ぐ Trusted Inter-Reality 基盤」名古屋大学大学院工学研究科 准教授 米澤 拓郎 
ー採択事例②さきがけ「細胞外基質の架橋変容から生じる組織硬化の分子基盤の解明」名古屋大学大学院創薬科学研究科 助教 辰川 英樹
ー採択事例③ACT-X「冬眠様選択的スプライシング機構の応用法の開発」
岐阜大学 糖鎖生命コア研究所 助教 堀井 有希
・対象: 東海国立大学機構の構成員
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/21219.html

[3] 科研費・外部資金獲得支援に関する最新のお知らせ

令和6年度の科研費・外部資金獲得に関する情報が届いています。URAによる申請支援を希望する方は、研究支援・人材育成部門までご連絡ください。
・連絡先:aip-ken[at]aip.nagoya-u.ac.jp([at]を@へ変更してください)

■ JST「先端国際共同研究推進事業ASPIRE 単独公募」募集開始
ASPIREでは、国際共同研究を支援する中で、日本の研究者によるトップ研究サークルへの参画を促進し、継続的に世界で活躍していくための取り組みを支援します。提案される国際共同研究では、応募対象者がリードする形で、研究そのものの活動だけでなく、ASPIREの目的に資する研究交流、人材育成の活動の実施が盛り込まれます。
・詳細:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/academic_research/gaibu-support/21014.html
・機関承認:無 公印要(2024年4月17日(水)正午までに研究事業係へ提案書一式を提出)
・締切日(公募先):2024年5月9日(木)正午

■令和6年度 戦略的創造研究推進事業の戦略目標が公開されました
文部科学省において、2024年度のJST戦略的創造研究推進事業の戦略目標と、AMED革新的先端研究開発支援事業の研究開発目標が決定されました。これらの目標に基づき、CRESTやさきがけ等のプログラムで研究提案の公募が開始される予定です。詳細は文科省のページをご覧ください。https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2023/mext_000010.html

令和6年度 戦略目標及び研究開発目標
1)自律駆動による研究革新【JST】
2)新たな社会・産業の基盤となる予測・制御の科学【JST】
3)持続可能な社会を支える光と情報・材料等の融合技術フロンティア開拓【JST】
4)選択の物質科学~持続可能な発展型社会に貢献する新学理の構築~【JST】
5)「生命力」を測る~未知の生体応答能力の発見・探査~【JST】
6)性差・個人差・個人内の変化の解明と予測への挑戦~ヒトを平均でとらえる医療からの脱却に向けて~【AMED】

■令和6年度 科学研究費助成事(科研費)の変更点等が公開されました
令和6年度の科研費の変更点が、以下の通り公開されました。詳細は日本学術振興会のページをご覧ください。
https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/06_jsps_info/2023/g_1629.html

1)基盤研究(B)の基金化
2)審査資料の電子化及びカラー化
新たに「学術変革領域研究(A・B)」、「学術変革領域研究(A)(公募研究)」の研究計画調書をカラーで受け付けることになりました。
3)男女共同参画推進に向けた科研費における応募要件の緩和
「研究活動スタート支援」及び「若手研究」の応募要件に「未就学児の養育期間」を配慮期間として追加します。
4)「研究活動スタート支援」及び「奨励研究」の審査方式の変更
一度の書面審査で採否を決定する審査方式へと変更します。
5)研究の健全性・公正性(研究インテグリティ)の確保
6)安全保障貿易管理への対応 
7)研究データマネジメント
原則全ての研究種目において研究データマネジメントプラン(DMP)の作成を求めます。なお、作成したDMPの提出は求めません。

[4] 名大発アカデミックフラッシュ 第33報

若手研究者による若手研究者のための「アカデミックフラッシュ」第33弾!
・日時:2024年4月24日(水)12:00~13:00 *オンライン
・発表:名古屋大学ITbM 特任准教授 ラオハビシット アヌポン
    名古屋大学大学院医学系研究科 助教 中西恒平
    岐阜大学保健管理センター 准教授 堀田亮
・対象:東海国立大学機構の若手研究者が主な対象ですが、学部生、大学院生、教職員も参加いただけます。
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/20969.html

[5] 名大研究フロントライン|大学院生たちはどう生きるか!?/「きっと楽しい」向こうが見える太陽電池、など~

■イベント開催レポート|第101回名大カフェ「大学院生たちはどう生きるか!?」

■プレスリリース連動 最新研究がもっとよくわかる!シリーズ

・工学研究科 松尾豊 教授

・生命農学研究科 竹本大吾 教授

・情報学研究科 鈴木麗璽 准教授

最後までお目通しいただきまして、ありがとうございました!
■発 行:名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部
■問合せ:企画・プロジェクト推進部門   
■メール:outreach@aip.nagoya-u.ac.jp  電話:(747)6527

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