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Gloomy_Weasel
2015年8月2日 00:52
夢の中で、真夜(まや)は幼い頃に戻っていた。淡いピンク色の地に、濃いピンクや明るい黄色の桜の花が散りばめられた着物を着て、背もたれのついたふかふかの椅子に座っていた。頭に挿したかんざしの、金色の針のような垂れ飾りが、頭を動かす度にシャラシャラと音を立てて、真夜の視界の端にちらついた。 隣には、落ち着いた黄緑色に赤やオレンジの菊の花が描かれた振り袖を着た、四つ年上の姉の真冬が立っていた。正面を見