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句を読む―胡桃割り人形の記憶

胡桃割る団地の奥の遊園地

宮本佳世乃『鳥飛ぶ仕組み』

小さい頃、家に「くるみ割り人形」の絵本があった。角が丸みを帯びた正方形の、アニメのような画風の本。
宮崎はあまりくるみに馴染みがない土地だと思う。だからこそ惹かれた。珍しい木の実を割るための人形があるなんて!絵は、正直あまり可愛くなかったけれど(くるみ割り人形がおじさんで、いかつかった)、木の実を割る道具を人形にしてしまうという発想が好きだった。
宮本さんのこの句に、その絵本とチャイコフスキーの楽曲「くるみ割り人形」が混ざり合って独特の懐かしさを感じる。団地の奥に遊園地があるの、すごくわくわくしませんか?街の秘密をを覗き見てしまったような、そんな感覚。

(宮本さんの第1歌集『鳥飛ぶ仕組み』はAmazonで取り扱われていませんでした。かわりに2020年出版の第2歌集「三〇一号室」をどうぞ)

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現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読んで思ったことをぽつぽつお話ししています。
Amazonアソシエイトリンクは、取り上げた作品が収録された句集・歌集が分かればそちらを貼っています。分からなかったときは私が読んでいるアンソロジー本のリンクにしていますので、こちらもご覧ください。


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