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句を読む―あふれて止まらなかった

永日のきみが電車で泣くからきみが

小川楓子『ことり』

大胆な句だなぁ、と思う。

私は短歌をつくるのですが、31文字の中では表現したいことを詰め込むためにことば・意味の「重複」を徹底的に避けている。

同じような意味の言葉をならまとめる、「こと」「もの」というワードはできるだけ具体的にする、など…言葉をふるいにかけるイメージで短歌を書いている。

小川さんのこの句は、「きみが」の繰り返しがすごく効いている。想いがあふれて止まらなかった、そんな感じ。

「きみが」の繰り返しで伝えられる文字数の情報量じたい(伝わりますか?うまくいえないのだけど…)は3文字分減っているのに、その何倍にも世界が広がっている。小川さんは本当に表現に長けた方なんやなぁ。

(「永日」は春の季語。春になって、だんだん日が長くなってきたことを言うそうです)

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現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読んで思ったことをぽつぽつお話ししています。
Amazonアソシエイトリンクは、取り上げた作品が収録された句集・歌集が分かればそちらを貼っています。分からなかったときは私が読んでいるアンソロジー本のリンクにしていますので、こちらもご覧ください。


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