夫のシックスパック化計画

夫は変態です。
こう言うと語弊がありますが、肉体を過酷な状況にさらすのが好きな変態です。
気温が30度越えの真夏日になると、メラメラ燃えます。
アスファルトが焼ける暑い日に、わざわざランニングしに行きます。
ロードバイクに乗って7km離れた公園に行き、愛宕山の頂上まで2～3往復走って、また7kmロードバイクに乗って帰ってきます。

私は思います。
季節の良い春や秋に、爽やかな風を感じながらランニングすればいいのにと。

この冬、吹雪く時間帯だけランニングする真っ赤なスパッツ姿の若者がいました。
吹雪くと姿を現し、やむといなくなります。
夫とは逆タイプの変態なんだと思います。

冬、夫は燃えません。
なので最近お腹が出てきました。

「ママ、欲しいのがあるんだけどさ……」と、上目づかいでもじもじおねだりする夫。
「なあに？」
このコロナ禍、市営のトレーニングルームに行くのは躊躇するそうで「おうちジム化」したいんですって。
Amazonでベンチプレスやダンベルセットを購入。
佐川さん、100kgもするのを配送してくれてありがとう。

「ママ、お願いがあるんだけどさ……」と、またもや上目づかいでもじもじおねだりする夫。
「なあに？」
モチベーションを上げるのに、筋肉画像をプリントアウトして欲しいんですって。
「パソコンあけておくから、適当に選んでおいてね」
むっさい筋肉隆々画像いっぱいのPC画面を凝視する夫。
こんな画像選んでた。

夫、こんな身体が理想なのね。

千代の富士好きだって言ってたもんね。

おいおい冗談だろ。

以上3枚をプリントアウトし、壁に貼りました。

使っていない和室一室を夫に開放。
「好きに使っていいよ」って言ったら、喜んでガサガサゴソゴソ楽しんでいました。

「ママも腹筋バキバキにする？」って誘ってくるけど、私は「No, thank you.」です。

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先月、夫は50歳になりました。
「早く50代になりたい」って言ってました。
マジかよ。
気力も体力も充分あり、仕事にも自信を持って出来ているからだそうです。
30～40歳代はまだまだガキなんですって。
ちょっと女には理解できない男心なのかしら。

Boys Mature Slow（男子成熟するに時間を要す）/大江千里

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「おまえんちの父ちゃん、めちゃくちゃ怖そうだな」

息子の友だちは口をそろえてこう言います。
確かに、仕事がら仕方ないのかなと思います。
刑事時代は「相手に負けていられないから」って、どっちがヤクザなのか分からない風貌でした。
その見た目ゆえ、職場の若い人たちから厳しい上司と見られているみたいですが、本当の夫は昔から変わらずに優しい人です。
夫が言う「まだまだガキ」のころは、インテリジェントなメガネ男子だったのにね。

私もあと数日で50歳になります。
出産育児真っ只中の30歳前後が満ち足りて幸せだったな。

年齢を重ねたら、自分のルックスに責任持たなくちゃね。