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まぜまぜしても良いのだ 2

FONIAシリーズ 45,49(WAKAZE) [山形県?] 
<2020年06月飲> 

前々回・前回と、日本発まぜまぜ酒(リモンチェッロ、ジン)を紹介しましたが、今回はついに来ました!まぜまぜ日本酒!
前回も書いたが、日本酒と言えば「純米酒」なのだ、混ぜ物をするなんて!!! トンデモナイ! と、思っていたのは過去の話。

名作「夏子の酒」では、女性が現場に入る苦労と新たな時代の到来を描いた、そしてその後続々と変革の波が押し寄せ、「日本酒」が「SAKE」と呼ばれる時代の幕あけ、その急先鋒のひとつが「WAKAZE」なのだ。

今回手に入れたのは、三軒茶屋醸造所で造られたFONIAシリーズの2銘柄。


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自社醸造所が東京の三軒茶屋とパリにあります。そして、旧来思考の杜氏からすると、そこで醸されるお酒は、まさに禁じ手!

まずは、recipe no.45 FONIA TEA 〜釜炒り緑茶〜
そう! 緑茶が入っているお酒だ。ジンにインスパイアされたと思われるが「ボタニカルSAKE」と呼んでいる。日本酒が完成してから緑茶を入れたリキュールではなく、「甘酒緑茶酛」と呼ぶ独自の緑茶を配合した「酛」から醸している。なので正確には日本酒ではなく、「その他の醸造酒」になるらしい。

「甘酒緑茶酛」って、言ったもん勝ちやな とも思わなくもない。
(って、本当に昔から存在してたらごめんなさい・・・) 

次たるは、recipe no.49 FONIA salt 〜EDO DASHI〜
「え〜っ!」 なんと、鰹節、昆布、塩を入れてしまったのだ。
ワタシの好きな言葉、「すべての歴史は破壊より始まる」というフレーズがぴったりのお酒。色んなもの(伝統)を壊しまくっている。こいつも完成後に出汁を「ちょい足し」したのではなく、醸造終盤(留の)仕込水として「ダシ」を使っている。

こちらの製法は「白麹酛出汁仕込!」・・・ここまで来ると、戦隊ヒーローものの「必殺なんとかパーンチ!」と同じ匂いが・・

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と、ここまで散々「型破り」と紹介してしてきたが、味はどうなんだ。気になるよね。

実は、意外に正統派。ワタシの舌(表現)がついていけない部分はご容赦を、、

まずは、釜炒り茶の方から
香りは爽やかフルーツ系、甘味は少なく辛口。ただ、がつんと来る辛さではない。人に例えると、西洋人ではなく東洋人、しかも彫りの深い縄文人系美男子ではなく、シュッとした弥生人系美男子な感じ。
ゴクリと飲み干した後に、旨味が拡がり、最後にじわじわっと苦味が顔を出してくる。ラベルを見て知っているからわかるレベルで、お茶を感じる。
苦味のある食材、例えば空芯菜の煮浸し、アサリの酒蒸し、などとどうぞ。あっ、あとお酒の色に特色あり、すご〜くほのかですが赤色をしています。入浴剤バブ薔薇を50倍薄めたくらいかな。。

次に、DASHIの方
「ん?」 日本酒として不自然(嗅ぎ慣れていない)香りがする。穀物から出る香りを期待していた脳が混乱する。生っぽい香りこれが昆布だな、枯本節は残念ながらワタシには感じ取れない、多分これかなと自分を納得させる。。
出汁の個性は前面には出てこない。出汁らしく縁の下の力持ちに徹した味わい。

また、白麹で醸されているせいなのか独特の酸味を感じる。
食事と合わせると! 素晴らしい!うま〜い! こいつは単体で飲んでも味力半減。色んな日本食に合わせられる万能選手だと思う。凄い!

新しく「和の国」に風を起こして欲しい、和風(WAKAZE)、期待してます!

銘柄: FONIA TEA 〜釜炒り緑茶〜 recipe no.45
    原料米:つや姫、出羽燦々
    精米歩合70%
    副原料:宮崎県産釜炒り茶
    アルコール度14
    使用酵母:協会6号
    製法:甘酒緑茶酛二段仕込
評価: ★★★ 
    甘み1、酸味2、苦味4、旨味4、香り3
価格: 2,500円、コスパ:△

銘柄: FONIA salt 〜EDO DASHI〜 recipe no.49
    原料米:つや姫
    精米歩合70%
    副原料:枯本節、利尻昆布、宮古島産雪塩
    アルコール度14
    使用酵母:協会6号
    製法:白麹酛出汁仕込
評価: ★★★★ 
    甘み2、酸味4、苦味3、旨味3、香り3
価格: 2,500円、コスパ:△

(トップ写真:能登半島のとある千枚田にて)


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