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ワインの樽とその影響 | 抽出の挙動を知る

ワインで樽といえば、樽香。

そう思う方も少なくないのではないでしょうか。樽の効いた赤ワインという場合も多くは特徴的な香りを指していたりします。

前回の記事「徹底解説 ワインと木樽 | 樽熟成の主役 オーク樽の基礎」に引き続き、樽についての記事を新しく公開しました。今回の記事の焦点は樽からの抽出物についてです。

ワインと樽と抽出物 | フェノールと樽香

もしかしたら抽出ってなに?と思われる方がいらっしゃるかもしれません。この場合の抽出とは、樽からなにかしらの成分がワインに沁み出してくることです。

実は樽香も抽出によるものです。

樽からの抽出というと多くの場合は香りに注目が集まります。研究も香りの原因となるvolatile phenolsに注目して行われているケースが多く見受けられます。

一方で樽から最も抽出されやすい成分は香り成分ではないといわれています。nonvolatile phenolsと呼ばれる成分です。

ここではこのnonvolatile phenolsについてさらに踏み込んでみていきたいと思います。

この記事はオンラインサークル「醸造家の視ているワインの世界を覗く部」内にメンバー限定記事として投稿された記事の一部を編集したものとなります。
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