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スパークリングワインの吹き出しをどう防止するのか、その醸造的手段を知る

割引あり

ワインに限らずミネラルウォーターやビール、ジュースに至るまで、炭酸飲料というものは開栓時に吹き出すリスクを抱えています。栓を開けてから数秒して突然、泡が吹き出す現象のことをGushing (ガッシング) と呼びます。Gushingへの対策は炭酸を含む飲料を扱う生産者にとっては共通の課題と言えるものです。

近年、ワインの分野でも炭酸を含んだ製品が増えました。もともとシャンパンなどのスパークリングワインは人気がありましたが、最近ではここにより低圧でフレッシュ感はありながらも軽く飲めるペット・ナット (Pét Nat, Pétillant Naturel (ペティヤン・ナチュレル)の略) が加わっています。ペット・ナットは二次発酵を必要とする一般的なスパークリングワインよりも製造工程が簡単に思えるためなのか、新しくワインリストに加えようとする生産者も多く出てきています。一方、製造量の増加にともなって消費者がGushingに遭遇する機会もまた増えています。背景にあるのは造り手の知識不足です。

この記事ではGushingを防止するためにはどのような醸造的対策が必要なのかについて解説をしていきます。

この記事はNagiと一緒に学ぶオンラインコミュニティ「醸造家の視ているワインの世界を覗く部」に投稿された記事の一部を再編集したものとなります。
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