ワインの世界で起きている静かなる侵略
ここ最近で2度、「日本」の名前がドイツ国内に轟きました。
1度目は言わずもがな、2020年から延期になり、先日閉会式を迎えたオリンピックの開催国として。開催にはいろいろ物議も醸されましたが、概ね、その名前は好意的な印象と共に受け取られています。
これに対して2度目は全くの逆。強い警戒と共にその名前が口にされています。
問題になっているのは日本は日本でも、”Japankäfer (英: Japanese beetle)”です。
北上をはじめた日本の名前
Japankäferは学名をPopillia japonica、日本ではマメコガネと呼ばれているコガネムシの一種です。チャールズ・エルトンが著した『侵略の生態学』に書かれているほどの、典型的な農業害虫として知られています。
日本の在来種でありながらその生息地はすでに世界中に広がっていて、300種類以上の植物に被害をもたらしています。
1916年にはアメリカ合衆国で発見され、その後、欧州でも1970年にポルトガル、2014年にイタリア、そして2017年にスイスで存在が確認され分布地域の拡大が警戒されていました。
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