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澱の持つ抗酸化作用の使い方

ワインの醸造中に発生する澱には酸化防止効果があるため、ボトル中に澱が含まれている濁りワインでは酸化防止剤を添加しなくてもワインが酸化から守られる可能性があることを書いた記事を公開しています。

特にナチュラルワインを造ろうとする場合、ろ過を行わず、酸化防止剤を使用しない関係上、ボトル内に残った澱が酸化防止機能を代行できるのであれば、メリットは大きくなります。一方で澱が吸着できる溶存酸素の量には限りがあること、澱の構成成分の観点から必ずしもボトル内に澱を残すことが品質管理上の利点とはなり得ないことがリスクとなり得ることを指摘しています。

この記事では澱の持つ抗酸化作用の利点を上記の記事とは違う観点から検討していきます。

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