薬膳教室2、 -これからやってくる夏の季節の養生ごはんを考えてみる
先週「長夏」の養生ごはんの講評をもらった時に一番印象的だったのが、薬膳ごはんと普通のごはんとの違い。いわく、薬膳は、メニューの組み立てに「意図」がある。
薬膳には、その人の「体調をよくしたり、維持する」という目的がある。美味しいかだけではなく、食材のもつ「五味」「五性」などのそれぞれの特徴を組み合わせて「体調をよりよくする」メニューを構成していく。食材のもつその複数の要素を、目指す「意図」への「ベクトル」をつくって組み立てる。(シカモ、美味シイノガイチバン笑!薬膳師さんは、そのへんが腕の見せ所なのかもしれないが、コレハタイヘンダ!)
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陽気旺盛な「夏」の季節
1年の中で一番暑い季節。雨も多く、自然界の生物も大きく成長する季節。自然=人間ととらえる中医学では、人の身体の成長度合いも夏がMAXである。(中医学でなくても、夏休みの子供って、身長がぐんぐん伸びたりするような気がする、ナントナク・・・ネ)
身体の中では、血流が活発に動き、心拍数があがる。夏の季節に対応する臓器は「心」(心臓)。心は、中医学では、血脈と神志をつかさどる。心が、身体のすみずみに「血」を送り出し、栄養分をめぐらせることによって、身体は充分に動くことができる。また、心は、同時に精神活動もつかさどっており、人が物事を考えたり、判断や記憶をし、行動に移すことができるのは心の働きによる。
夏は「汗をかきやすかったり」「身体に熱がこもり顔が赤くなったり」「身体が熱くなる」。また、多量の汗で、身体の水分(津液)が外に出すぎ、体内の津液不足から「動悸や脱力感」につながり、「やる気が出なかったり」「精神不安定」「不眠」「多夢」「寝つきが悪い」「イライラ」などが起こりがちである。津液の消耗と同時に、気も消耗してしまうので、いわゆる夏バテで「熱中症」「息切れ」なども起こりがち。これを引き起こすのは、陽の邪気「暑邪」「火邪」。さらに湿気「湿邪」がそれに加わる。ああ、夏って、本当に過酷な季節なのだな・・・このようなチカラヅヨイ外邪に対抗するためには、いつも以上にケアが必要。
このような夏の養生は、心気を保養して、身体の中の陽気を外に発散させるサポートをしてあげること。暑くて食欲不振になると、他の季節より食事量も減りがちになるため、食物中の水分も身体の中に入ってこなくなり、結果、1日の摂取水分も減り、脱水症や熱中症にもなりやすい。なので、少し食欲がないと思っても、適度な食事で津液や気を補充、体内にエネルギーを蓄え、身体にこもった熱を発散させる方がいい(ナルホドネー)
また、食事ではないけれど、身体に負担のかからない涼しい時間に活動をするのも効果的。夜遅くや早朝をうまく活用する。夏は、夜遅く寝てもいいから、朝は早く起きること。足りない睡眠は昼寝で補う。子供の頃の夏、プールで泳いで、スイカを食べて、昼寝。これは、身体を養生するのに一番いい形なのかもね。ヨーロッパ、イタリアやスペインでは、今でも昼寝の時間がある。日本の社会では昼寝の習慣はないけれど、どんどんと地球環境が変化してきている今、もう一度「昼寝」の効用と社会の中に昼寝を組み込む仕組みを検討した方がいいのかも!
さてさて。そんな夏の薬膳ごはんは「清熱作用」をもつ身体の熱をおさめる「涼性、寒性」の食材を使う。「苦味」で心気を補う。また、津液を補う事のできる食材をとる。「酸味」も津液が出ていくのを防ぐのに効果的。「鹹味(かんみ)」といわれる塩味も補充する。
苦味の話で面白かったのは、お茶の話。お茶の葉の収穫の5月位から緑茶を飲み始めて、夏の間は緑茶をのむのが身体にもよい。そして冬が近づくにつれ、苦味の緑茶から、発酵茶であるウーロン茶や、紅茶をとるようにするのが季節にあっているんだって。
ああ、余談が多すぎて長―く長―くなってしまった・・・。けど、夏の夜は長いから、それに免じてゆるしてください、、笑
最後に、薬膳メニューの宿題を。
暑くて暑くて夏バテ気味で、あまり食欲のないときに、身体を涼しくできる食事を目指してみました。ああ、色々組み合わせるのは楽しいけど、これでいいのか。。。ホント難しい・・・笑
春雨といろいろ野菜のアジア風サラダ(緑豆春雨・きゅうり・トマト・もやし・水菜・豚ひき肉 / パプリカ・オリーブオイル・ライム・ニョクマム)
ほたてとセロリのカルパッチョ(ホタテ・セロリ / オリーブオイル・レモン)
こんにゃくのごましょうゆ(こんにゃく・ごま / しょうゆ・メープルシロップ)
ベトナム風プリン(たまご・牛乳 / 砂糖・氷)
レモングラス茶
お茶は、本当は先生からの食材表の中から、素直に緑茶にするつもりだった。だけどね、買い物中に、フレッシュレモングラスを発見してしまい、思わず、思わず、、買ってしまった。。(こういうところが減点を増やすことになるんだよなー、と思いつつ・・・笑)
先生―――、いかがでしょうか・・・(今回も、またまた、ドキドキ)
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