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ゲームクリエイター10年目の僕の働き方

note初投稿、僕のゲームクリエイターとしての働き方について、参考になればと思い筆を取ってみます。2020年現在、僕はとある外資系ゲーム企業にて、ゲーム新規立ち上げ、およびローカライズの仕事をしています。
ゲームクリエイターになったのは、2011年4月からです。10年間という区切りの良いタイミングですね。僕のキャリアがどのような変遷を辿ったかというと、ある意味においては閉鎖的でもあり、ある意味においては柔軟に少しずつ変化していきました。

閉鎖的なゲーム業界

この記事を読んでいる人の中で、「ゲーム業界で働いてみたい」という人もいるかもしれません。僕はどうやってゲーム業界で働き始めることができてかというと、「運」と「覚悟」の要因が大きかったです。
僕が就職活動をしていた2010年はちょうどソーシャルゲーム全盛期で、コンソールゲーム企業の就職活動に失敗してしまった僕は、とあるSAP(Social Application Providerの略。ガラケー向けのソーシャルゲームを作り、GREEやモバゲーに提供する企業のこと)に就職しました。このSAPに就職できたのは本当に「運」で、スクエニやカプコンなどの超大手ゲーム企業にお祈りされた僕が藁にもすがる思いでゲーム企業を探し続け、出会った会社でした。しかも、このSAPはゴリゴリのベンチャーで、ヒット作がひとつもなく今にも潰れそうな状態。この会社に入社することは完全に賭けでした。内定をもらっていた会社はゲーム企業ではなかったので、「覚悟」を決めてそのSAPに入社しました。

そこから運良く道が開け、あれから10年経った今もありがたいことに、ゲームの仕事を続けることができています。
その間、会社を4社ほど変えていますが、基本的にゲームの実績がちゃんとあって、ネガティブなことをやらかしていなければ、在籍企業が仮に傾いたとしても会社を変えてゲーム業界で生き続けることができます。ゲーム業界での転職は「ただのクラス替え」と言っても差し支えないと思います。クラス替え(=転職)すると、前々職の同僚とまた同じクラス(=会社)になったり、元同僚の知人がいたりします。年間の恒例行事(=CEDECなど)に行けば知人を見かけることもザラです。そのくらい、ゲーム業界というのは閉鎖的で村社会です。
会社が変わっても仲間意識がある一方、何かネガティブなことをしてしまった場合、次の転職がしにくくなるのではないかと思います。なぜなら次の転職先候補にも必ず自分の知人、もしくは知人の知人がいる可能性が非常に高いからです。そういった意味でも村社会です。

もう一つ、ゲーム業界で閉鎖的だなと思うことは、キャリアの構築を自分の頭で考えていかなければならない側面が大きいことです。
例えば、某大手ゲーム企業に就職できたはいいものの、3年も5年もひたすら同じアニメーションを作り続けなければならない、というような働き方をしている人の話を耳にすることがあります。僕にも似たような経験があって、大学の同級生が就職したいわゆる伝統的な新卒から新入社員の在籍部署をローテーションさせて教育する、といった視点が薄いのがゲーム会社の特徴です。
もちろん、新卒の教育に力を入れているゲーム企業もありますが、手取り足取りではないし、新卒とはいえできない奴というレッテルを貼られたら切り捨てられます。そのため、ゲーム業界で生き続けようと思ったら、キャリアは自分で考えて軌道修正する必要があります。

ゲーム業界で柔軟に生きていくために

「ゲーム業界で自分は何をしたいのか」、「どういう人になって活躍したいのか」を持ち続けて、その目標に近づいているのか、近づけてないならどう起動修正するべきなのかを考えて行動することが必要です。それを考えた結果、所属する企業を変えたり、自分の雇用形態を変えたりする柔軟性をゲーム業界は受け入れてくれると思います。
実際、フリーランスとしてゲーム作りに携わる人も増えているようですし、ゲーム事業はギャンブル性が非常に高いため、大手ゲーム企業に入れば安泰ということは全くありません。5年前にイケイケだった企業が今は厳しそうなんてザラにあります。

そして、そのように柔軟に動ける人は、仕事そのものでも活躍しやすいと思います。
ゲームというギャンブルに人生を賭けてみたいという人には最高に面白い業界ですし、どうやら今の中学生のなりたい職業ランキングでもYouTuberに次いでエンジニアやゲームクリエイターは人気のある職業のようですから、夢のある仕事だとも思います。
10年やってきて、本当にいろいろやってきたなーと思う反面、まだまだやりたいことが出てくるし奥の深い仕事。
10年も同じ仕事をしていればベテランだろうと思っていましたが、まだまだ知らないことも多いし、年々この仕事の奥深さに気づきます。

ということでゲーム業界での僕の10年、ざっと書いてみましたが、まだまだ話せてないことも多いですね。
色々経験してきたので、コメントなどいただければ、何かお役に立てることもあるかもしれません。

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