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結局、全ての道はローマにつながってしまった大日本帝国陸軍が誇る無能とプーチン大統領の共通点

ウクライナ危機に関して、こんな記事を読みました。

「ロシア軍はアナログ回線を利用していてデジタル回線を使ってない。だから通信が傍受されていてそこをウクライナに狙い撃ちされているようだ」と。
もっと凄いのになると、「ロシアは最初グリーンベレーにも匹敵すると言われている精鋭部隊ズナペスツを空から投入したが、着陸地点を傍受されて狙い撃ちにされてズナペスツは全滅した。だからウクライナ攻略にかなり手間取っている」という話にもなってます。
その話の結論が、ため息混じりの「如何に優れた部隊を持っていても、運用が時代にそぐわなかったら単なる張子の虎になるんだな」というものでして、確かに「軍の通信回線をデジタルにしなかった」という点で現場を責めるのはお門違いなわけで。
それは軍の現場ではなく、もっと上の責任になってくるはずです。

「ロシア軍の回線が傍受されていて、狙い撃ちされている」という話を聞いてkinaが真っ先に連想したのが第二次世界大戦の「インパール作戦」でした。
この作戦はとあるTV番組「しくじり先生〜俺みたいになるな!〜」ならぬ、「しくじり作戦〜あの将軍みたいになるな!〜」とばかりに、イギリス軍が反面教師として自軍の教育プランで教えているという、旧大日本帝国陸軍が歴史に誇る大失敗作戦です。
大失敗の原因はいくつもあり、それぞれが教訓とするべき内容になってますが、その最初が「敵国イギリス軍のかなり早い段階での作戦傍受」でした。
司令官が「ジンギスカン作戦」と名づけてご満悦だった、「現地のビルマ(現在のミャンマー)で牛馬を調達し、それに物資や弾薬を運ばせ、最後には食用にする」という作戦だったのですが、その牛や馬の列が制空権を握っていたイギリス軍があっさり見つけ、「日本軍はインパール山脈を越えて戦争を仕掛ける」と判断し、あえて撤退して補給困難な場所まで誘い込み、実際に日本軍は大敗北を喫します。
しかも、それは実際に戦闘で亡くなった方より、餓死・病死が圧倒的に多かったという、言いようのない虚しさが残る話で。

そして時代にそぐわない軍隊の運用で大敗北を喫して歴史の敗者になった例としてギリシャ(マケドニア)のことを連想しました。
アレクサンダー大王の時代は当時世界最大の武力を誇っていたと言っていいギリシャ(マケドニア)軍ですが、新興国ローマとの決戦で大敗北を喫し、ローロッパの覇権国はギリシャ・マケドニアからローマへと移りました。
マケドニアはアレクサンダー大王の時代から変わらない戦法で、それは正面から来る敵には無類の強さを発揮するのですが、馬を使った機動力で側面からくる攻撃には弱く、その弱点を突いたローマ軍に完膚なきまでにやられてしまった…と。
この辺は塩野七生さんが「ローマ人の物語」に書いてますね。

「結局、全ての道はローマにつながってしまったな」と思いつつ、旧大日本帝国陸軍きっての無能と、曲がりなりにもソ連崩壊後のロシアを支えてきたプーチン大統領を同列に並べることに時の流れの残酷さを感じます。

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