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【図解】帰納法と演繹法 ~どっちがどっちか混乱する推論法~

こんにちわ、「IT企業に転職した元CA、ワーママなぎさ」です♪

今回は『帰納法と演繹法の違い』です。

会議で「これは帰納的に考えたらさぁ...」など、発言が飛んでいて、わたし的には「昨日...何か起こったってこと...?」という感じでチンプンカンプンなことがあったりします。
会議のあとに「帰納法」「演繹法」とググって理解しても「どっちがどっちだったけなぁ...」ということがよくありました。
そうならないために「帰納法と演繹法の違い」を、その周辺用語も含めて、図解しました。

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□ 演繹的推論(deductive inference)

概要
・「普遍的前例(ルール・前提・原理原則・知識)」をもとにした推論(三段論法とも言われる)
・「普遍的前例」に「偏った主観」や「誤り」が混ざると論理破綻するが、そのプロセスの特性上、強い説得力をもつ。
・「一般論(誰もが知っている事実)」を前提に使用するため、必然に必然を重ね結論にいたるプロセスを経る。(数学的な推論方法とも言える)
・「考察のベース(普遍的前例)」は正しいかどうか、疑う姿勢を絶えずもつこと。

鍛え方
・「考察のベース(普遍的前例)」を広げるために「単なる知識量(ただ暗記した知識)」ではなく、「使える知識量(構造化した知識)」を増やすことが重要。

効果的な場面
・アイディアの正しさの証明
・戦略的思考
・組織構成の立案
・新規事業開発
 ・[理由]普遍的前例に関する正確な知識と技術が必要なため

【例】ニンジンは、栄養がある。
[大前例]野菜は栄養がある
[小前例]ニンジンは野菜だ
[結論]故に、ニンジンは栄養がある。

【例】ソクラテスは、死ぬ。
[大前例]人間はみな死ぬ。
[小前例]ソクラテスは人間である。
[結論]故に、ソクラテスは必ず死ぬ。

【例】人間には、血液がある。
[大前例]人間は哺乳類である
[小前例]哺乳類には血液がある
[結論]故に、人間には血液がある。

□ 帰納的推論(inductive inference)

概要
・多くの具体的事例から、「共通項(ルール/類似点/傾向)」を抽出し、結論をみちびく推論。
・重要視されるのは、共通項に「納得感」があること。
・具体的事例は単一でなく、複数経路から入手していることで、偏った情報ではない、という印象が深まる。
・「白鳥しか見たことが無い人」が「鳥はみんな白い」と論じても、カラスを見せられたら、あっけなく論破される。
・「全事例を網羅」「それと同等の証明」をしない限り、その結論の確度は担保しずらい。
・具体的事例の「量(サンプル数)」と「質(適切さ)」が担保されていないと、結論の納得感が薄れる。
・具体的事例には「客観性」「感情や利害関係のなさ」が担保される必要がある。

鍛え方
・具体的事例には「量(サンプル数)」と「質(適切さ)」が必要なため、知見のストックを積極的に増やす。

効果的な場面
・「調査による統計」を使用する。
・「一定以上のサンプル量(事例/アンケート結果)」がある。

【例】野菜は、栄養がある。
[事象A]ニンジンには栄養がある
[事象B]ナスには栄養がある
[事象C]トマトには栄養がある
[共通項]「野菜」
[結論]故に、野菜には栄養がある。

【例】人間は、死ぬ。
[事象A]ソクラテスが死んだ
[事象B]プラトンが死んだ
[事象C]アリストテレスが死んだ
[共通項]「人間」と「死」
[結論]故に、人間はみな死ぬ。

【例】ハチミツは、体に良い。
[事象A]テレビでハチミツの効能について報道(テレビ報道)
[事象B]同僚も毎朝ハチミツを摂取していて体調改善(同僚の体験談)
[事象C]雑誌でハチミツが体に良いと紹介。(雑誌の記載)
[共通項]「ハチミツの効能結果」
[結論]故に、ハチミツは体調の改善に効果がありそう。

【例】飲料用水は、今後も売れ続ける。
[事象A]水に関するアンケートの結果(男女数百人)、8割の人が水を買うことに肯定的
[事象B]スーパーやコンビニエンスストアで水を買う人は毎年少しずつ増加している
[事象C]別のアンケートでは公共の水飲み場や水道の水を飲まないという人が7割超え
[共通項]「飲料水の需要が高い」
[結論]故に、飲料用水は今後も売れ続ける。

□ 仮説的推論(abduction)

概要
・「結果(具体的事例)」から「原因(普遍的前例)」を推測し、仮説を構築する推論。
・アリストテレスの論理学を基にして、提唱した論理展開法。
・「ある企画に対して、如何に説得力を持たせて説明するか」がベースとなっている推論法。
・「普遍的前例」が正しくても「仮説」は複数考えられるため、何を当てはめるのかは、推論者自身の閃き次第。

鍛え方
・帰納的推論/演繹的推論とは異なり、想像力が必要となる論法で、非線型の思考法であるため、始めのうちは習得が難しい。
・そのため、普段から幅広く「知識(点)」を収集し、その点を繋げて「線や面(仮説構築)」にして、実験を繰り返すことで、上質な想像力を養うことが叶う。

効果的な場面
・「ある事象(具体的事例)」をもとに、複数のアイデアを出して、プレゼン資料にまとめる。

【例】ニンジンのおかげで、口内炎が治ったのだろう。
[具体的事例]口内炎だったが、野菜ジュース(ニンジン/トマト)を飲んだ。
[普遍的前例]βカロテンは口内炎に効果的。
[仮説(結論)]故に、昨晩のニンジンで口内炎が治ったのだろう。

【例】雨が降ったのだろう。
[具体的事例]朝起きると、庭の芝生が濡れていた。
[普遍的前例]雨が降ると、芝生は濡れる。
[仮説(結論)]故に、昨晩は雨が降ったのだろう。

□ 【例】野菜と栄養

最後に「野菜と栄養の関係」で例えてみます。

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