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小説「鍋の悪魔」

【あらすじ】
男は鍋を食べていた。その鍋で煮えていたのはなんと悪魔だった。
これは悪魔を煮込んだ鍋と、それをつつく男の物語。

【備考】
・本作はノベルアップ+で開催されている冬の5題マラソン第三週の応募作品です。
・コンテスト期間終了後に非公開になる場合があります。

【データ】
文字数:3000字
バージョン:v1.0.0
公開日:2023.1.14
更新日:2023.1.14

【リンク】
ノベルアップ+

【作品冒頭】

 激しい雪が薄い窓ガラスを叩いていた。狭い部屋だ。壁板も天井も薄く、殴れば穴の一つも簡単に空いてしまう。その六畳間の一室の半分程度が白と紫の混ざり合った煙により占拠されていた。
 煙の供給源は鍋だ。
 ストーブのないこの部屋で冬場を凌ぐにはうってつけの料理で、何を入れてもそう不味くなることはない。白菜だの豆腐だのキノコに白滝、ジャガ芋だって受け入れる。肉か魚でもあれば上出来だ。

小説「鍋の悪魔」より

#小説 #短編 #怪奇 #グロテスク

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