04 お気に入りの映画たち



本日は、お気に入りの映画たちを【洋画編・邦画編】に分けて紹介していきたいと思います

本数縛りをしないと決めきれなかったので2本ずつだけということにします


洋画編​


『LEON(レオン)』


画像1


1994年製作

あらすじ:ある日、少女・マチルダの一家が惨殺される事件が起きる。孤独と復讐心に苛まれたマチルダは、殺された弟の仇を取るべくとなりに住む殺し屋・レオンに殺しの特訓を受けるようになる。奇妙な生活の中で2人の仲は徐々に深まり、ついにはマチルダがレオンに恋心を抱いてしまう。そんな想いとは裏腹に、弟を殺した犯人を突き止めた2人はさらなる窮地へと追い込まれていく。


この映画を最初に見たときの衝撃は凄かった。最初から最後まで緊迫感たっぷりで、見終えたあとはやっと解放された...と安堵してしまうほど。ストーリー構成も秀逸で90年代製作映画にしては抵抗がなく見やすいと思う。

なんといってもマチルダが可愛い。ファッションも髪型もキャラクターも何もかも。等身大の少女らしい一面がちゃんと存在しながらも、残酷な現実をしっかりと受け止める芯の強さや落ち着きもある。危なっかしくて目が離せない、と思ってしまった瞬間には既に彼女の虜だ。

私の好きなシーン、マチルダが銃を自分の額に押し当て『私が欲しいのは愛か死よ』と言うシーン。レオンへのイノセントな恋心と犯人への復讐心。その想いたちを交錯させながら、本当は辛くて苦しいんだ、という感情を押し殺すような目でレオンに訴えるそんな場面は心苦しくて堪らなくなる。だけどマチルダの本心が初めて見えたようで少し安心したりもする。

感情や気持ちを語る直接的な説明や言葉はほとんどないけど、心理描写の表現の仕方がお見事なのでしっかり感情移入が出来て楽しめます。

完飲後、より一層このマチルダの言葉の重みを知る。そして何よりこの映画のテーマは愛と死であると実感し、同じくその大海で泳ぐ私たちが知るべき愛のおはなし。

歳を重ねるたびに観たいし、マチルダのようにキュートに、強く、生きていたいとずっと胸にしまってこれからも一緒に私の中で生き続けるであろう大切な作品です。




『ダンサー・イン・ザ・ダーク』


画像5


2000年製作のミュージカル映画

あらすじ:チェコからアメリカにやってきたセルマは女手ひとつで息子ジーンを育てながら工場で働いている。セルマを母のように見守る年上の親友キャシー、何かにつけて息子の面倒をみてくれる隣人ビル夫妻、セルマに静かに想いを寄せるジェフ。様々な愛に支えられながらもセルマには誰にも言えない悲しい秘密があった。先天性の病のため、視力を失いつつあり手術を受けない限り息子も同じ運命を辿るのだ。愛する息子に手術を受けさせたいと懸命に働くセルマ。しかしある日、大事な手術代が盗まれ、運命は思いもかけないフィナーレへと彼女を導いていく。(フィルマークスから引用)


躁鬱映画として有名なこの映画。本当に観なきゃよかった(褒め言葉)と思う。

母から教えてもらったのが観たきっかけで、中学か高校の時に軽い気持ちで観てしまった故にその衝撃は大きかった記憶がある。(なんて映画をお勧めしてるんだ母よ...)

主に冤罪をテーマに描いていて、その冤罪の残酷さと人間たちの私利私欲、欲望の恐ろしさを時々のミュージカルを交えながら静かな狂気としている。

これがミュージカル映画だと知らない人も少なくはないんじゃないかなと思う。自分自身、ミュージカルにはハッピーでライトなイメージを持っていて急に歌い出すとか何それ物語が崩れる嫌だ、というのもあり好きではなかったんだけど、これはそんな概念をぶっ潰しにきてる感じがして凄くよかった。なんならミュージカルの中和がなかったら観ていられないくらい。

主演のビョークの儚い歌声も相まって、セルマという女性の弱々しく今にも消え入ってしまいそうな存在を補うように、守るように歌うその姿により一層目が離せなくなる。

悲劇の始まりはいつだって穏やかで優しい。

信頼する人も結局は他人で、人間の欲望には底知れぬ恐ろしさがついてまわる。

今思えば、私が冤罪に関する映画や小説を好んで手に取るようになった根源でもある気がする。

冤罪はフィクションでもなんでもなく実際に起こり得るし起こっている。そして同時に、死刑という刑罰の存在価値をも問うべきである。私はずっと死刑制度の存在に疑問を抱いているが、実際に身近な人間が被害者になっても尚同じことを主張出来る覚悟はない。

もしかしたらこれは私たちがどうにか出来ることではないけれど、常に心にとめて置いておくべきことなのだと思う。

この映画のような悲劇を生み出さない為に。


邦画編​


『誰も知らない』


画像5


2004年製作

あらすじ:都内の2DKのアパートで大好きな母親と暮らす4人の兄妹。しかし彼らの父親はみな別々で、学校にも通ったことがなく長男の明以外の妹弟の存在は大家にも知らされていなかった。ある日、母親は僅かな現金とメモを残し明に妹弟の世話を託して消える。この日から、誰にも知られることのない4人の子供たちだけの『漂流生活』が始まる。(フィルマークスから引用)


有名な是枝裕和監督の作品で、現在をときめく俳優柳楽優弥も出演している。

1988年に発生した巣鴨子供置き去り事件を題材としており、15年の構想の末に映像化。母の失踪後、過酷な状況の中で幼い弟妹の面倒を見る長男の姿を通じて、家族や周辺の社会の在り方を問いかけた作品となっている。

暴力行使の虐待とはまた違った、放置するという虐待。いわゆる見る暴力、未必の故意のようなもの。そしてそれは償わなくてはならない劣化とした罪だ。

無知な私にはあまりに衝撃的な内容だった。酷い、残酷、残虐、などの言葉では片付けてはいけないような気がした。

映像という作品ではあるものの実話をもとに作られているということもあり決して他人事ではない。子供たちを放置する親が一番の問題なのは明らかだが、その生活を囲む私たちや社会の問題でもある。2019年時点では、児童虐待の報告件数が過去最多であったらしい。虐待に関する世間での興味関心が広がりつつありそれはいい傾向なのかもしれない。

だけど実際に、もし自分がそのような場面を目撃してしまったときにどのような行動を取るのか。またはどのような行動を取らなくてはならないのか。それを知らずに生活している人のほうが多いのも確かだ。関係ないと思ってしまえばそれは二度と消えることのない罪になる。決してなくなることのない社会の課題だからこそこうやって、空想のようで空想でない人為的な物語を誰かが敢えて作ることで一人ひとりの意識や関心を高める必要性を求めていくべきだと思う。

子供を持ったことのない私なのであまり出過ぎたことは言えないけれど、当事者であれ傍観者であれ、生涯そんな場面に遭遇しないことを祈ります。

同じようなお話で『子宮に沈める』という映画があるのですがそちらも同時に観て欲しい作品です。



『冷たい熱帯魚』 


画像4


2010年製作

あらすじ:熱帯魚店を営んでいる社本と妻の関係は既に冷え切っており、家庭は不協和音を奏でていた。ある日、彼は人当たりが良く面倒見のいい同業者の村田と知り合い、やがて親しく付き合うようになる。だが実は、村田こそが周りの人間の命を奪う連続殺人犯だと社本が気付いたときには既に遅く、取り返しのつかない状況に陥っていた。


最高級の胸糞映画。私が崇拝する、鬼才 園子温監督のイカれたサイコホラー作品。他には『愛のむきだし』『自殺サークル』『地獄でなぜ悪い』『ヒミズ』などの作品がある。

1993年に実際に起こった『埼玉愛犬家連続殺人事件』をベースとしているらしく、映画に出てくる殺し方、遺体の消し方(遺体なき殺人と呼ばれた)はそっくりそのままだという。こわ。

なんといってもグロいしエグい。日本映画ならではの繊細な技術で表現されたグロシーンはまさにトラウマ級。

吹越さんがいい味を出しているのは勿論なのですが、特にでんでんさんの最高にイカれた演技に拍手喝采。とあるシーンで村田(でんでんさん)が『お父さんごめんなさい』と何度も呟いているのですが、それが狂気的で恐ろしくて目も当てられなくなるのにそれでいて可哀想...と同情しそうになってしまう、見ているこちら側をまんまと最悪躁鬱のハイブリッド精神にさせてくるので本当に気が狂いそうになる。(褒め言葉)

最終的には吹越さん演じる社本が覚醒してしまうんだけど、そのラストのシーンもお見事で、あーーー流石胸糞映画展開、と嬉しくなります。

人間が壊れるのは一瞬、だがそれは死ぬ瞬間よりも残酷に果てしなく続くものである。

そんなことを痛いほどに感じた映画でした。

役者さんの力量や熱量なども画面越しとはいえひしひしと伝わってきて凄いなあと改めて思いました。

二回観たけどさすがにもういいかな...

胸糞映画好きには断トツでこれをお勧めします。





以上、お気に入り映画たちの紹介でした。

本当に二本ずつに絞るのが難しくてとても悩んだ結果の作品たちでしたがいかがだったでしょうか...

最近は今までなんとなく避けていた洋画を観るようにしていてそのよさにハマりつつあります。

一概には言えないけど、日本映画は状況を説明しすぎるというか、場面背景や人物の心情を細かく忠実に描く傾向がある(そこが好きだよ)ので、慣れない言語が壁になったり社会背景が分からなかったりする洋画では自分の想像力で補って観る部分が多くそこが新鮮でいいなあと。特に心理描写の表現の仕方、違和感を覚えるようなカメラワークやカット割り、行間を読ませる工夫など、観る側に委ねるテクニックは邦画よりも長けていて、その説明しすぎない感じが魅力でもあるのかなと個人的な見解を見つけました。

今回は惜しくも紹介出来なかったB級サメ映画。いつか、サメ映画縛りでレビュー記事などを書いて共有出来たらいいなと思っております。


それでは、よい映画ライフを = ・・=


画像5

近所の居酒屋さんの美味しいお刺身



= 死せる孔明''note''ななのかかんプロジェクト =


1日目 『イントロダクション』


2日目 『お気に入りの漫画たち feat 独断と偏見』


3日目 『夕焼けに触れるとき、』


YouTubeでオリジナル曲をあげたりしているのでこちらも是非、チェックお願いします



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?