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2021・上半期に観た映画の中で好きだった作品 (洋画編)




2021年、あっという間に半年が過ぎていてびびり散らかしてる。


ということで私的、待ってました!な企画。

2021年上半期に観た映画 174本 の中から、これは好きだったなと思った作品を個人的嗜好、目線、見解で紹介していきたいと思います。

少しでも誰かが観てみたくなってくれるようなレビューを意識して紹介していくので、気になる作品を見つけて参考にしてもらえたら嬉しいです。


今回は洋画編から。




洋画編​





処刑人 (1999)

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(見放題 - U-NEXT)


あらすじ:精肉工場に務める兄弟、コナーとマフィーは行き付けのバーで、店の買収をもくろむロシアン・マフィアのイワン・チェコフとその部下を痛めつける。翌日仕返しに来た彼等を殺してしまい警察に連行されるが、留置場で「悪人どもをブチ殺せ!」と神から啓示を受ける。


何がいいって、法で裁けない悪人どもを殺していく様がいちいちかっこよくて派手で見ていて気持ちがいい。兄弟二人でお揃いのタトゥーを入れてるのもいいなあ。

トイレを引っこ抜いてそのまま持って歩いて頭の上から落とすシーンは誰が見ても最高なんだけど、個人的には、不本意にも猫を銃でぶっ放してしまうシーンがとても好き。笑った。ロッコがコメディアンとしていい役回りをしてるから重くならず見やすいし、ウィレム・デフォーが出ている時点でもう間違いない。

そんなウィレムの過激な女装と、終盤の裁判シーンも見所。

やっていることは殺人、でも、殺しているのは悪人。でも、犯罪。という善悪の紙一重なきわどい部分を分かりやすく映したクライムアクション。






サマー・オブ・84 (2017)

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あらすじ:84年夏、アメリカ郊外の田舎町に暮らす好奇心旺盛な15歳の少年デイビーは、向かいの家に暮らす警察官マッキーが、近隣の町で発生している子どもばかりを狙った連続殺人事件の犯人ではないかとにらみ、親友のイーツ、ウッディ、ファラディとともに独自の調査を開始。しかし、そんな彼らの行く手には、想像を超えた恐ろしい現実が待ち受けていた。


いわゆる隣人キラーものの作品というのはお決まりジャンルのように数々と出ていて、『親しい隣人』『隣人は静かに笑う』『クリーピー 偽りの隣人』『隣人13号』など色々と観てみたけど、その中でもずば抜けて好きだったのがこの作品。

何といっても胸糞オチというのが好みにぶっ刺さった。少年たちの好奇心が最悪な結末へと辿り着いてしまう胸糞版スタンドバイミー、という感じ。

えぐい内容とは裏腹に、80年代をリスペクトした懐かしみのある作風だったり、BGMが気になって内容が入ってこん....てくらいかっこいいテクノ音楽も聴けるので、ノスタルジックな視点からも楽しめちゃうジュブナイル青春ホラー。

胸糞好きはぜひ。


この映画のサントラはこちら。




余談ですが、隣人繋がりでついでに。

『隣人13号』という2004年公開の邦画、現在公開されている『キャラクター』でバディを組んでいる小栗旬と中村獅童の共演作で、17年の時を経た二人の成長ぶりを垣間見れるので胸熱です。

これから『キャラクター』を観るという方、既に観た方も、『隣人13号』をぜひ。評価は低いけど、グロくて人怖系で私は好きです。

『キャラクター』も面白かった。






mid90s (2018)

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あらすじ:1990年代のロサンゼルスで、13歳のスティーヴィーは母親のダブニーと兄のイアンと暮らしていた。体格差のある兄にかなわないスティーヴィーは、大きくなったら見返そうと考えていた。そして街のスケートボードショップで知り合った少年たちの自由でかっこいい姿に憧れを抱く。


A24制作映画はとりあえず観ておけば間違いないと思ってる。

最近だと『ミッドサマー』『ヘレディタリー』など。『ムーンライト』『聖なる鹿殺し』『アンダー・ザ・シルバーレイク』も個人的に好きだったし『ミッドサマー』も捨てがたいけど、ここでイチオシしておきたいのがこの作品。

始まりはみんなきっと同じで、何かの拍子に突然恋してしまったものに人格すら形成されていく。

自分がかっこいいと感じたカルチャーに目覚めてから、それを正義と掲げて純真無垢に無我夢中にディグりまくって恋焦がれて真似してみちゃう感じ、超超超分かる、となってとてもよかった。

それをスティーヴィーくらいの若さのうちに気付けてさらに仲間までできて、凄く羨ましくて心に残った作品。

幼少期の興奮が詰まってる。






ノーカントリー (2007)

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あらすじ:狩りをしていたルウェリンは、死体の山に囲まれた大量のヘロインと200万ドルの大金を発見する。危険なにおいを感じ取りながらも金を持ち去った彼は、謎の殺し屋シガーに追われることになる。事態を察知した保安官ベルは、2人の行方を追い始めるが…。


胸糞とまではいかないけど、よく分からないまま終わるのである意味胸糞。

BGMもほとんどなくて、神出鬼没の殺し屋シガーに淡々と追いかけられる様が本当に怖すぎる。

シガーの機械的な低音ボイスと微妙で絶妙な髪型が、絶対こいつからは逃げられないじゃんと思わせるには既に十分で、そこにハビエル・バルデムの魅力的な演技が相まって完全無欠・最強の殺し屋を確立してる。

ルウェリンがシガーに殺されてしまうのかどうかが勿論見所ではあるけど、私的好きポイントとしては、普通の銃で殺さないところ。自作なのか分からない見たこともない形の散弾銃で無双しまくる。それがより一層不気味さを増幅させていていい渋みがある。

この世の武器で散弾銃が一番怖くて好き。蜂の巣みたいに身体に風穴が空くなんて、どう考えても怖すぎだろ。

もう一つ、無音でぬるっとエンドロールに入るところも好き。






エレファント (2003)

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あらすじ:何の変哲もない高校。アル中の父親のせいで遅刻したジョンは居残りを命じられ、カメラマン志望のイーライは今朝撮ったばかりの写真を現像中。誰もがいつも通りの時間を過ごすなか、ライフルを担いだ生徒ふたりがやってきた。


ごく自然に、当たり前に、高校生たちの日常がありふれる中、突如投下される銃乱射。実際に起こったコロンバイン高校の銃乱射事件を元に制作。

現役高校生らを起用していたり、自分もその場にいる感覚になるような長回しカットが多いからか、よりリアルで生々しく残酷。前半にそれぞれの高校生たちがどう過ごしているかを群像劇として見ている分、後半にかけての落とされ方がえぐい。
めちゃくちゃグロいというわけでもなければ凄く派手な映像演出があるわけではないのに終始手に汗握る緊張感があって、静かに迫りくる恐怖に発狂したくなる。

これは好きな映画アップデートしちゃう勢いでよかった。U-NEXT独占配信なので会員の方は是非観てほしいな。タイトルもポスターも含めお気に入り。

同じガス・ヴァン・サント監督で『マイ・プライベート・アイダホ』という作品があるんだけど、若き頃のキアヌ・リーヴスと今は亡きリヴァー・フェニックスが主演でこれも凄くよかった。

あわせてどうぞ。






バッファロー'66 (1998)

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あらすじ: ムショ帰りのビリーが親への見栄から、妻を連れて帰郷すると宣言。女の子レイラを拉致した彼は妻のふりをしろと脅迫する。そんな態度の裏に潜む孤独をレイラは見抜き次第に惹かれていく。


こーーれとても大好きだった。恋愛映画ともミステリー映画ともつかないような、その間の曖昧な非日常を日常で薄めた感じ。

多分そういう作品こそ作るのが難しい気がするけど、登場人物ビリーのキャラだったり水色のアイシャドウが印象的なレイラのルックスだったり、変わった映像の撮り方で上手いこといってる。

ビリーの家族と偽妻としてレイラが四人で食卓を囲むシーンがあって、一人の目線をPOVみたいに撮って三人しか映さなかったり、過去の出来事を1:1の画角で描いたりする。

きっと全部センスや感覚でやっているんだろうけど、自分がお話の中の登場人物になっているようで思い出のように映像が鮮明に残るし、ユニークな撮り方という観点から観て庵野秀明監督の『ラブ&ポップ』を彷彿とさせるあの感覚で楽しめた。

ビリーはちょっと不器用で終始威圧的、ずっと怒ってるから前半はハラハラしてしまうけど、本当のところ根は優しくて臆病者。そんなビリーの武装を立ちションあたりでレイラが見抜いて内面の孤独に気付き、怖がるどころか惹かれてしまう感じ、自然と納得してしまう愛おしさがあった。言ってしまえばストックホルム症候群みたいなものなのかもしれないけど。

前半のピリピリした感じに対比した後半にかけての微笑ましさが最高。

私が好きなシーン、両親に送る二人の写真を即席写真機で撮るところ。もう一つ、モーテルのベッドで一緒に寝るシーン。ここの二人がめちゃくちゃに可愛い。

そして終盤、無罪で刑務所に入れられた復讐に出掛けるビリーを、もう二度と戻らないんじゃないかとレイラと一緒に恐れている自分がいる。その時点でもうビリーが好きになってる。

その後二人がどうなるかは、是非本編を観てほしいです。

大切な人、好きな人に尽くしたくなる愛おしい作品。









以上、こんな感じでした。

改めて有名王道どころを沢山観ていた上半期なのもあって、敢えてここには入れなかった作品も沢山あります。

『ショーシャンクの空に』『タクシードライバー』『ユージュアル・サスペクツ』『フェイス/オフ』『羊たちの沈黙』『ゴッドファーザー』『殺人の追憶』『悪魔のいけにえ』など。

よかったな。

どれも面白いというのが前提だし、有名な作品はどれも普通によいでした。



次回、邦画編に続く。


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