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小説や漫画、映画のレビュー・感想文
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#小説

06 お気に入りの小説たち

本日は、お気に入りの小説たちを紹介していきたいと思います。

お気に入りの漫画、お気に入りの映画、と書いてきましたが、やっぱり好きなものを語る時間は幸せで楽しいし何よりその瞬間に救われた気持ちになれます。

そして最後の''お気に入り''シリーズとなりました。今回も決めきれなかったので四冊のみ!と制限をつけ、死闘に死闘を繰り広げた脳内会議によって決定した作品を紹介します。これは涙無くしては語れない

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玉子と白眼

『とける、とろける』 唯川 恵

とろけるような快感の先にある落とし穴。落ちる為だけのものでなければ、埋められた瞬間のオーガズムを与えてくれる為だけのものでもない。ふたつでひとつと言わんばかりに理屈に欠けるのに、それは内緒にして置こうよ、と突っ込みたくなるほどリアル。

『眼球譚』 オーシュ卿(G・バタイユ)

エロティシズムと死。相反するようなものこそ一つに重なる瞬間がある。余白のない恍惚とした

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最近の完飲と感想



2019.9.28

『斜陽』 太宰治

平凡で退屈な日々に刺激を求めるのに変わることを恐れている。しっかりと愛の中で生きていけばいくほど削り取られていくのはそれこそ愛で、大人の風貌を気取り恋と革命を極度に崇拝することで自尊心を保つ。病気だ、病的だ、と思う。みんながみんな何かしらの病、とは聞くが、本作では''普通の人間''でい続けたいという心理的な依存(果てに共依存を招くようなものも)、身勝手

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