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高校教師-1993年のテレビドラマ-

大きな声を上げて騒いでみたり
口を開けば下ネタばかり
どこのクラスの女の子が可愛いとか批評したり

男子が子ども過ぎて、とても恋愛対象に見れない!

ほら、女の子の方が男の子より精神年齢が4.5歳上というでしょう?
同級生を好きになったことは、もちろんあるけれど
中学時代に好きとか憧れの感情を抱いたのは
自分のお父さんと歳が近い40代半ばの先生だった。

中学3年の冬に
「高校教師」という真田広之と桜井幸子が主演のドラマがヒットした。

教師と生徒の恋愛・同性愛・強姦・近親相姦・自殺など
当時すでに問題となっていた社会的タブーを
真正面から扱った作品で大きな反響を呼んだ。

年上の先生との恋、誰にも言えない秘密の恋。
秘密という言葉に何とも言えないエロティックさを感じる。
爽やかじゃない、ドロッとした恋愛。
そんな恋愛がしてみたい。
まるで昼ドラのヒロインになった気分。
もう、この時点で私の恋愛観は歪み始めていたのだと思う。

高校にはきっと真田広之みたいな先生がいるに違いない。

だけど、、入学早々、期待は打ち砕かれた。
そんな先生がいるわけない、あくまでドラマの中だけだ。

しばらく経って、先生と付き合っている2年生がいると知った。
どんな人なのか、そりゃ、気になるよね?

「なぎちゃん、見に行かない?」
「うん!行こう!」

友だちとふたりで2年生の教室が並ぶ2階に侵入した。
9クラスの教室が並ぶ長い廊下の真ん中に
そのふたりが親し気にお喋りしていた。

階段の踊り場から5mくらい離れて様子を伺った。

彼女の背はそんなに高くなく、たぶん150㎝後半
セーラー服の肩につくくらいのミディアムロング。
色白の肌に整った顔立ちが大人びた印象だった。

思わず、綺麗な人、と呟いた私に
友だちはすかさず、でも、あれだよ、と先生を指差した。

薄紫のスーツを着て
色白で少しぽちゃっとした印象の30歳手前くらいの先生。
長めの前髪を時々掻き上げながら、彼女と話して笑顔を見せている。

お世辞にもカッコいいとは言えない。
二代目林家三平みたいだ。
真田広之を勝手に想像していた私も悪いけれど・・・

「ああやって、授業が終わったあとに
廊下でふたりで喋っているらしいよ。
校長にもやめろって言われているみたい。
あの先生のどこがいいんだろうね?
私、あのスーツからして生理的に受け付けないわ」

友だちの毒舌っぷりに苦笑いをしつつ
「もっと、他に良い人がいるよね」と調子を合わせた。

そもそも、恋愛は自由だし先生と生徒の恋愛は法律で禁止されていない。
先生の結婚相手は元教え子、そんな話だってあることはある。

当時、彼女は17歳で、先生は確か27歳だった。
もし、体の関係があったのなら
10年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金もしくは併科の罰則の
「青少年保護育成条例違反」か「児童福祉法違反」に当たる。

彼女と先生がどこまでの関係だっかのかは分からない。
卒業後に結婚したとか別れたとか
そんなの知らなくても正直どうでもいいと思った。
先生との秘密の恋、そんな夢を見ていた自分に腹立たしさを感じた。

ドラマみたいな恋なんて現実にある訳ない・・・

高校1年から2年はモテ期という期間だったと思う。
携帯が無い時代だから
よく男の子から家の電話に「なぎさん、いますか?」とかかってきた。

私は相手からアプローチされると引いてしまう。
自分から好きな人に行く方がいい。
アプローチしてきた人とお試しでも付き合ったことは一度も無い。

大学受験が終わった春休みに初めて彼氏ができた。
その人とどうして付き合ったのだろう?
好きだから、というよりも
手を繫いだりキスしたりセックスがしたかっただけ。
だから、身近にいた男友だちと付き合ったんだ。
結局、その人とはキス止まりで大学入学と共に直ぐに別れてしまった。

高校3年間で身を焦がすような恋をしたのは一度だけ。
その人は彼女が途切れたことがないくらいにモテていたから
私なんて付け入る隙がなかった。
その人に告白する勇気もなく、ただ遠くから見ているだけの片想い。
3年間でまともに話したこともなかった。
その人が好きだということも、誰にも打ち明けたことはなかった。

卒業したら、もう会うこともないのかもしれないと思った。
その通りだった。
同じクラスでも部活が一緒だった訳でもなかったから。

でも、神様は意地悪だね。
卒業して10年経ったころに、その人と運命の再会をさせるのだから・・・

そのお話しは順を追ってさせていただきますね。

<<つづく>>














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