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貿易の側面から見る世界平和

 近年、ロシアとウクライナの戦争もそうですが、タリバン政権の樹立、北朝鮮のミサイル実験、アメリカに対抗すべく中国が国防費を10倍ほど増やしたりと、世界的に不安定な状況が続いています。

グローバル社会と安全保障


世界平和、安全保障を考えた時に、「武器」や「兵器」の流出や開発の援助につながる貿易を止めるというのはグローバル化した中でとても大切な事です。
 なぜなら、グローバル化により人、モノ、お金がかなり自由に行き来することができるようになったからです。油断をすれば、日本で作られたモノや技術がテロリストの手に渡り、戦争の道具に使われてしまう事もあります。世界がこれほどもつながった今、海の向こうの戦争や平和への問題は私たちの身近な問題になっています。
日本から輸出した貨物や技術が戦争やテロに使われているなんてことになったらとても悲しい事です。
 そこで今回は、日本がグローバル化した世界の中でどのようにして安全保障へ取り組んでいるのかについて簡単にまとめてみました。
私は普段貿易事務をしているのですが、貿易の側面でも、何か世界平和とか世界に何かできる事はないかなと思っています。

安全保障貿易管理という言葉


日本をはじめとする主要国では、武器や軍事転用可能な貨物や技術が国際社会の安全性を脅かす国家やテロリスト、犯罪活動を行う恐れのある人に渡るのを防ぐため先進国を中心とした、国際的な枠組み(国際輸出管理レジーム)を作り、国際社会と強調した輸出の管理を行っています。
日本では外国為替および外国貿易法(通称:外為法)によって輸出管理の取り組みを行っています。
つまり、人を襲ってきそうな怖い国や組織に武器や武器を作れそうな技術が渡らないように輸出する貨物や技術を管理しよう!
という事を行っています。
この事を安全保障貿易管理といいます。

ですが、、、
最近では厄介なことに技術力、化学の進歩で日用品として、使用できるものも軍事品として利用できるものが増えてきました。
軍民両用(デュアル・ユース)といいます。

日本では貿易管理どうしてるの?


日本では外為法という法律基づいて実施しています。
対象となるのは「貨物の輸出」& 「技術の提供」です。
「貨物の輸出」 & 「技術提供」は経済産業大臣の許可をもらう必要があります。
貨物の輸出、技術の提供をする前に、経済産業大臣から輸出の許可を貰い、それを税関に確認してもらった後で輸出許可がおり、初めて輸出が出来るという流れになります。

<リスト規制>と<キャッチオール規制>


日本では経済産業大臣の許可を得るのに2パターンの規制をしています。

1.リスト規制
政令省でスペックが定められている品目があり、その品目、スペックに該当するものは
全て経済産業大臣の許可が必要という規制です。
全ての国、地域向けが対象となります。
用途、需要者にかかわらず、海外の自社工場、日系企業への輸出だとしても許可が必要となります。
→輸出しようとする貨物がこのリスト規制に該当するかどうか判定する事を該非判定といいます。
※輸出する際には、輸出社さんはリスト規制に該当するかどうかの該非判定書が必要と言われることがありますので、注意してくださいね!

キャッチオール規制とは・・・
リスト規制品以外であっても通常兵器や大量破壊兵器の製造等に用いられる可能性がある場合には経済産業大臣の許可が必要になる制度です。

兵器、武器の用語について


大量破壊兵器
・核兵器
・生物、化学兵器
・ミサイル(大量破壊兵器の運搬手段)
→核兵器や生物兵器を相手に放つ手段として使われます

通常兵器
大量破壊兵器以外の兵器を言います
戦闘機や、軍艦、機関銃、地雷など

日本の安全貿易管理制度のまとめ


・日本では外為法に基づいて、世界平和につながるように兵器の開発につながるような貨物は管理されている
・規制の対象は、「貨物の輸出」と「技術提供」
・規制の方法は「リスト規制」と「キャッチオール規制」がある。
・輸出するときは経済産業大臣の許可が必要!
今回まとめてみて、普段の私の業務である、貿易実務でも国際平和に貢献できると思うとなんだか、「仕事も頑張りたい!」と思えますね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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