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即売会の匂いが強い

なんとか気を取り戻してイベントに参加した。同人即売会の朝は早い。
今までずっとキャリーバッグに荷物を詰めて搬入作業などをしてきたのだけれど、既刊と新刊の重さに耐えかねて今回は宅配搬入などを利用した。出荷もそう。身軽に帰れることのありがたみを感じた。
昨日まであんなに落ち込んでいたのに、今は少し気分が晴れやかまである。

同人即売会に向かう日はいつもより早く起きて(というより、シフト勤務の都合上睡眠時間がまばら)、化粧と朝食を食べて向かう。道中いつも値札とお品書きを印刷する。印刷したものを鞄に入れて進んでいく。とりあえず、電車に乗っている間にお品書きなどを再掲しておいて、ぼうっとしているうちに会場に到着する。

会場に近づくにつれ同志の匂いが濃くなっていくのがいつも面白いと思う。電車に乗り込んでくる人々全てが面白い。だって、あんなに多いとは思わないだろう。ハコに対して収納される人間の数が異様なことにいつも笑いが止まらない。どうして人間ってあんなに群れても小さく収まってしまうのだろう。

会場に到着するなり設営が始める。敷き布をひくのが一番不得意。その次に本を立てる段ボールのような部材のそれを組み立てるのが苦手。本のレイアウトなどは楽しい。
終わるとふう、と息をついておにぎりを食べて、のんびりする。この時食べるおにぎりが一番美味しいと思う。

即売会と、そのジャンルにもよるけれど人の訪問はまばらだ。常にバラバラ。おそらく私に固定客がいないからだと思う。流浪の旅人のごとくジャンルが切り替わるし、一次創作も二次創作も書く。なんだったら、昨年出した本については、同じジャンルでまとめました、というものが二冊ぐらいしかない。
そういうわけで、人はまばらだ。いつも新しい顔ぶれの人々に囲まれて「初めまして!」を繰り返している。なんなら一番顔を合わせて落ち着けるのは全く違うジャンルで活動をしている同人ジャンキーだと思う。
同人ジャンキー。それは同人誌が好きで好きで日々書き続けているおかしな人物たちのこと。
私のことでもある。

小説を同人誌にする楽しみを覚えてからずっと書き続けている。
上記に書いた通りジャンルはまばらであるし、固定客はほとんどいない。常にTwitterや作品をアップロードすべき場所にしないで、突然同人誌として頒布をするので知名度もあまり高くはないだろう。通りかかって「あ! こんな本が!?」みたいな反応をもらうのはたびたびのことだ。
まあそれでいいと思っているし(でも本が売れていかないのは少し寂しい)、不満はあまりないのだけれども、ずっとあのジャンルで活動し続けていたら何かが変わっていたのかな、と考えることはある。壁になりたいわけではなくて、ただ漠然とずっと書き続けていたら何かが変わっていたのかなと思うことがある。大抵、それらはどうでもいい結末を辿る。多分あの書き手の人と揉めただろうな〜とか。杞憂に近いことばかりを考えている。

知り合いがジャンルにそもそもいないことが多いので、後日談としてのアフターもあまりない。とりあえず地元駅に戻って、何か小さな小噺を書いたり、こういった文章を書いてから帰宅する。今まではキャリーバッグを持っていたから階段がきつかったけれど今回はサクサク階段も進めそうだ。

決してこれで最後にするわけではないけれど、二次創作で書きたいものが落ち着いてきた日々なので、なんとかしてこの同人ジャンキー加減をおさえていきたいと思う。
いや、それでも、一次創作とかを書きたいのと、それらだって同人誌にしたいので全く効果がないのだけれども。ずっと書いている。止まらずに書いている。それを素晴らしいと言ってくれる人たちがいることが嬉しい。私が多少なりとも間違っていないことを教えてくれている。
まあ、とりあえずの話にはなるけれども、一次創作も書いていこうと思うので、どうぞよろしく。

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