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彼は最高にきゅるきゅる

『MIU404』を見てからきゅるきゅるしている。
綾野剛さんがきゅるきゅるしている。

彼は細かった。笑顔も姿も何もかも。

初めて彼を認識したのはいつだったか覚えていないのだけれども、確か『怒り』に出演が決まった頃だった気がする。
「こんなに痩せ細って線の細い人がいるんだなあ」と思っていた。事実彼が演じた役がその通りの男性だったのだけれど。
当時はなんとなく自分の中で当たりだろう映画を観ることのワクワクが優っていて、俳優について注視する力がなかった。映画の当たり外れを察知できる力は正しく、『怒り』は事実面白かった。

Twitter(現:X)(当時はTwitterだったのでこのように書く)でも『怒り』の
評判はよく、やっぱり当たりだったのだなあと思っていたのを覚えている。
というのも、当時私が身を置いていたジャンルがいわゆるBLに特化したものだったので、そういう描写がある、BL的要素がある映画として『怒り』は話題になっていた。その要素の一つが綾野剛さんの演じる役柄だった。
しかし、彼はそれを差し引いても素敵な演技をしていた。
それだけははっきりと覚えている。

私はビニール袋の中に入っているお弁当をちょいちょい膝で直そうとしているシーンが好きだった。(多分、綾野剛さんにきゅるきゅるしている人たちは全員このシーンが好きだと思うのだけれども)
なんというか……とにかくあの頃は線の細くて、くしゃりと笑っていても消えそうな人間だと思っていたのだ。
それはテレビに疎い私が抱いた最初の感想であり、もう八年近く前の話になる。

それから八年経過して、真面目に綾野剛さんを認識した。
『MIU404』によって。

彼は狂わせていた。フォロワーとフォロワーとフォロワーを。

もう結論から書いておく。
綾野剛さんは細くなかった。

順序を追って書いておく。
私は最初、『MIU404』について興味がなかった。リアルタイムでドラマを観る習慣がなく、俳優にも疎い。テレビ文化が染み付いておらず、たまに契約したAmazonプライムが勿体無いという理由で映画を観る人間だった。
Twitterのフォロワーに特撮関係の人間はいるものの、特撮にはこれと言って強い執着がなく、それもAmazonプライムの勿体無いを消化するためのものだった。

そんな私がどうして『MIU404』を観ることになったのか。
全部中堂系のせいである。

ある日を境にフォロワーが中堂系しか言わなくなったのである。

ここでは綾野剛さんについて語りたいので、『アンナチュラル』が中堂系が出てくる作品であることの詳細は省く。
中堂系が登場する『アンナチュラル』から数年が経過しているにも関わらず、中堂系は突然タイムラインに登場した。
映画や俳優、ドラマに詳しい人でもなかったので、何が起きたのかわからなかった。中堂系ってなんだ? 『アンナチュラル』とはそこまで気を狂わせるコンテンツなのか?

とにかく中堂系が気になったので、Amazonプライムを契約したのをきっかけに『アンナチュラル』を観た。
米津玄師のLemonの差し込み方といい、様々書きたいことはあるのだけれど、これは綾野剛さんがきゅるきゅるしているのだと書きたいので、『アンナチュラル』のことはここまでにしておく。

とりあえず中堂系がフォロワーを狂わせる人間だということは理解できた。
すると『MIU404』もおすすめなので観て! とフォロワーが言う。
どういうことだ……中堂系は『アンナチュラル』だけの存在じゃないのか? 違うタイトルだけれども、中堂系が登場するのか? と思っていると、どうやらシェアワールド作品とのこと。
じゃあ観てやろうじゃないですか……と意気込んだのが最後だった。

綾野剛さんのきゅるきゅるにやられる最後の瞬間である。

彼は細くなかった。笑顔も姿も何もかも。

え? めっちゃ可愛い人いますけど。

これが『MIU404』を観始めた最初の感想だった。
どこにも書き込んではいない。とりあえず可愛い人がいた。そこに。画面に。日本に。
伊吹って名前なんだって〜!? めっちゃ可愛い韻をしてていいね……なんて思っていた。振る舞いがまず可愛かった。
『MIU404』についての前知識がほとんどなかったので、これが正真正銘最初の、心からの感想だった。
綾野剛さんは可愛くなっていた。

『MIU404』の綾野剛さんは力強かった。
足が速いという設定で、走っている姿が逞しかった。
手がつけられない野犬のような演技がかっこよかった。
そこに細さはなく、骨のある通った人間がそこにいた。

ここで『怒り』の綾野剛さんを思い出してほしい。
細くて折れそうだった綾野剛さんがいた。日々に凍えていそうな綾野剛さんだった。庇護欲掻き立てられるような、儚げな存在だった。

それが笑顔が溌剌としている、力強さと生命力に溢れた人間になっていた。

演技恐るべしと思うべきなのだろうと最初は思っていた。
が、それは崩される。

正真正銘、綾野剛さんは可愛かったのだ。

顔がいいという話について、今朝こんな話を見たので貼っておく。

顔が良すぎた。
あらゆる角度が可愛かった。
動くだけで可愛いが詰まっている。
いや動かなくても可愛いが存在している。

キラキラしている存在だった。
『MIU404』的に言えばきゅるきゅるしている。
私にとって真にきゅるきゅるしているのはハムちゃんじゃなくて綾野剛さんです。

いや本当に、本当に何が起きたのかわかっていなかった。
綾野剛さんが可愛いことに突然気づいてしまった。可愛かった。何が可愛いと聞かれたら確実に全部と答える。顔が可愛い。所作が可愛い。全部演技なのだとわかっているけれども、可愛いとしか言いようがない。いや可愛い。本当に可愛い。
『怒り』の頃に気づかなかった可愛さが襲いかかって来た。

気づけばあっという間に『MIU404』を観終えていて、綾野剛さんに狂わされている人間になってしまった。
中堂系に狂ったフォロワーと同じである。

しかし綾野剛さんは可愛すぎる。
斜めのアングルが可愛すぎる。
正面からも可愛い。

彼は可愛すぎる。他の作品でも可愛すぎる。

一日中綾野剛さんのことを考えていた。
『MIU404』を観終えてすぐだったので、他の綾野剛さんにも興味をもった。
『怒り』をもう一度観ようかと思ったけれど、あの作品は少し刺激の強い婦女暴行シーンがあるので、観る元気がなく、見送りになった……のだけれども、あった。

『カラオケ行こ!』である。

2023年公開、ほぼ最新の綾野剛さんコンテンツである。
原作の知識はないがサムネイルからして綾野剛さんがきゅるきゅるしているのは間違いなかった。ので観た。

きゅるきゅるしてる〜〜〜〜〜〜!!!!!!!

もうなんだ? 可愛すぎる。
まず「カラオケ行こ」の誘いの言い方が可愛すぎる。ああ言われて行かない人間はまずいない。相手がそういった危ない人間でも綾野剛さんのあの声音だけで警戒心を解いてカラオケに行くに決まっている。
それから歌っているシーンの本気具合が可愛すぎる。カラオケを題材にしている作品なのだから歌唱シーンは何度も演技指導が入ったと思うのだけれども、それにしたって眉間の皺の寄り方が可愛すぎる。可愛すぎる。マイクの握り方が可愛すぎる。
配役が適切すぎないか? あまりに綾野剛さんの可愛さが際立ちすぎている。
脚本の野木亜紀子さん、監督の山下敦弘さん、ありがとう。

そういえば野木亜紀子さんは『アンナチュラル』や『MIU404』でも脚本をしている。もしかしてこの人が綾野剛さんをきゅるきゅるさせる秘訣を知っているのではないか? 『ラストスマイル』も期待が高まる。『MIU404』のバディ二人が主役ではないにしろ、綾野剛さんが登場した瞬間に映画館内がきゅるきゅるに包まれるに違いない。

いや……きゅるきゅるしている。綾野剛さんは非常にきゅるきゅるしている。

彼はきゅるきゅるしている。この世の何よりもきゅるきゅるしている。

いや、可愛すぎる。
今こうして綾野剛さん登場作品を観ているわけでもないのに、頭に焼き付けられた綾野剛さんがきゅるきゅるしている。
最初にきゅるきゅるしているという言葉の意味がわからなかったが、今ならわかる。
綾野剛さんはきゅるきゅるしている。
あの笑顔を守りてえ〜という感情に包まれている。
絶対に『ラストスマイル』を観に行くぞという気持ちで包まれている。

正直に書けばこれから先の未来が暗く感じていたのに、綾野剛さんという太陽が
やって来たので未来安泰世界平和幸福絶対という気持ちでいっぱいだ。
テレビや映画、ドラマももう少し観てみたいという気持ちになっている。
新しい世界が綾野剛さんのおかげで切り拓かれようとしている。
綾野剛さん……可愛すぎる。

とりあえず、目下綾野剛さんのファンの先輩方から教えてもらった作品を観て綾野剛さんを補給していこうと思う。
あの人のきゅるきゅるは世界を救うと思う。
この世の誰よりきゅるきゅるしている。ありがとう、綾野剛さん。

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