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コーヒー代を払って確保した場所での手帳時間は格別なものだった

昨日、三度目になるコメダ珈琲に、ひとりで行ってきた。

ひとり喫茶店デビューはいつの頃だったか。

喫茶店やオシャレなカフェにひとりで居る人がうらやましかった。
すでに大人な年齢だったが、いつか自分も挑戦してみたかった記憶がなつかしい。

もう随分前、地元の友達と会う日、あえて早めに家を出て約束時間前にコメダ珈琲に入ったことがある。

ひとり喫茶店を意識して初めて行ったのがその時だったと思う。

当時の思い出としてはくつろぐどころかそわそわして、コーヒーを飲むだけなのになぜか落ち着かず、人に見られているという意識から、持っていった本をテーブルに出したものの開くことすらままならなかった。

ちゃちゃっと飲み干して早々に店をあとにしたのは言うまでもない。

友達との会話で、ひとりでお茶したりご飯を食べることができないと言うと「うそぉ〜!できそうやのに〜」と、何を見てそう言うのかがわからないが、見た目はそうらしい。笑

ひとりで食べるくらいなら少し時間を押してでも買い物をぶっ続け、お腹が減りながらそれでも歩き続け、パン屋かデパ地下の惣菜で目ぼしい物があったりしたらそれを買って帰宅する。
下手するとお茶時間に昼食をとることもある。

ひとりで外出する際、確実にお昼時間を挟むことが前もってわかっていると相当な心構えで家を出る。笑

ひとりで水族館には行けるのに、ひとり飲食となるとなぜここまで構えてしまうのか、自分でもよくわからない。

そんなわたしのひとり行動。
ここ数ヶ月くらいのあいだで少しばかり成長が見られる。
それには理由があった。

コメダ珈琲におひとりさま専用の席ができたからだ。

窓際に向かって横並びに4名まで座ることができる。
木のパーテーションで仕切られていて、椅子をテーブルに近づければ、横を向いても隣の人の顔すら見えない仕組み。
ガッツリと背もたれに背中をあずけて横を向いても後頭部が見える感じ。

超絶にいい場所だ。

目の前は外(駐車場)だから人目を気にすることは皆無。
これに味をしめたわたしは、今年9/1を皮切りにあえてひとりで足を運んだ。
そして昨日で三度目となったわけだ。

春先に改装後のコメダ珈琲に友達たちと入ったことで知ることになった。
なのでその時行っていなければ、おひとりさま席情報は知らないままだっただろう。

二度目の支払い時には人生初のコーヒーチケットなんか買っちゃったりして。笑

すごい成長ぶりだと自分でも驚く。

でもまだひとりコメダをするには緊張感があって、あまり長居するのもなんだし…とか、せっかく行くのだからある程度はくつろぎたいよな、とか考えたりする。

スマホばかり触るんじゃなくて、本を読んだり、手帳を開いて考え事なんかしながら書き物をしたい。

昨日は15時過ぎに行く場所があったのでそこから逆算してシュミレーションしてみた。
すると13時半にコメダに着くのが妥当な感じだった。

一時間半くらいの滞在なら文句を言われることもないだろうと読んで家を出た。

郵便局に行き、本屋に寄り、リサイクルセンターでゴミを捨てて図書館にも寄り、コメダに着いたのが13時20分過ぎ。
まずまずだった。

ランチを注文して食べる。

わたしは手(指)に関して少々潔癖なところがある。

食べ物を直持ちしたらその指はかならず拭かないと他のものを触りたくない。
サンドイッチを持った手でそのままスマホを触るということが許されない。

スマホにサンドイッチのパンの油分がつくことも、スマホの菌がついた手でサンドイッチを持つことも考えただけでゾワっとする。

なので一気にサンドイッチを食べた。
コメチキはなし。笑

話す相手はいないのでひとり黙々と食べた。

ほんとうはゆっくり食べながら、コーヒーも少しずつ飲んで、手帳に書き物をしたり本を読んだり、ということがしたいのだがそれができない。

あっという間に冷めきってしまったコーヒーも残り半分を飲み干した。

残るは水と豆だけ。笑

15時まで、まだ一時間ちょっとあった。

図書館で本を借りて読むことが頭にあったので、家から文庫を持っていくのをすっかり忘れていた。
結局借りなかったのでノートだけか…しまったな…と思ったんだけど、後部座席に本屋で買ったばかりの料理本が3冊あった。
その中でいちばん小さいやつを一冊だけカバンに入れて店内に入ったので、その本とノートとペンをテーブルに出した。

席を立った時、生命保険らしいパンフレットを広げて話し合う人らがいた。
そのとなりには女性二人組がいて、サプリメントでは結局のところ痩せないとかいう話題も耳に入ってくる。

耳にしたくなくてもBGMと一緒に聞こえてきてしまう。
いや…でも悪くはない。

ノートを開いて書き始める。
その時の脳内会議はもっぱら持ち歩き手帳のことだった。
それを紙に書き出す。

ある程度書いてはペンを置き、水を飲んでおしぼりで手を拭いては豆を食べる。笑

まだ30分ほど時間があった。

豆も食べきったしなぁ…。
かと言って支払いは自分だし無職の身。
さらにケーキとコーヒーなんて頼めるはずもなく、少ない水を飲みきって書くことに夢中になっていた。

ふと、家にいるときと明らかに心持ちがちがうなぁと感じる瞬間があった。

テレビなんかでよく聞く、多少ザワつきがある場所のほうが作業が進むとかいうアレか。

自分で豆を挽いて飲むコーヒー時間ももちろん好きだけど、外でお茶しながらのこういう時間もいいもんだなって。

家にいたら思いつかないような事柄が頭に浮かんで、それをツラツラと書き出しただけの時間だったけど、料理の本は一切開くことなく15時になっていた。

すごく充実した時間だった。

わざわざお金を払って飲食することが目的ではあるけれど、同時に確保した空間でひとり、自分の思うままに過ごす時間は想像以上に格別で至福だった。

また行こう、ひとりコメダ。



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