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長月龍誠|小説
2023年1月22日 17:52
《約2600文字 / 目安5分》 温かいご飯の匂い。「よーし。こんなものかな」 ママは私をおんぶしながら、鼻歌交じりにご飯の支度をしていた。リビングの方を振り向くと、いつの間にか薄暗くなっていた。いつもこんな時に、パパが帰ってくる。そう思うとワクワクが止まらない。「完成……かな。ここみ、ご飯できたよー」 歌声がママの背中から聞こえてくる。ご飯、できたのかな。ママの肩に精一杯手