小説講座まとめ 2

 サマンサ編集長様が行っている講座、2回目のまとめです。

 今回は前回の課題を元に、課題の意味やつけていける力、ここはOK/ここは足りないという話が前半、後半は新しく長編小説についての話でした。

■情報の出し方

・出すタイミングと量が大事
・必要なところで必要な量の情報を出していく

 前回の課題である冒頭の直しからのお話です。そもそも情報が足りていない場合もあるし、最初に全ての情報を出せばいいわけではないので注意。そのシーンで起こっていることを読者が分かるように情報を出していかないといけない。
 冒頭が主人公が歩いているシーンなら、どこを? という説明が必要。ここで主人公の家族構成の話はいらないよね、という。

 『ハリーポッター』J. K. ローリング (著) では…
 魔法界の説明は一番最初に出てこない。
 ハグリットが来て→ハリーが魔法使いだと知る。両親が死んだ理由も明かされ、今の生活の理由が分かる
 二人で入学準備の買い物に行く→お金の話になる→銀行に行く→銀行の小鬼の話になる
(例えば一番最初に魔法界の説明を長々してもストーリーと合っていないし、何の脈絡もなく銀行の説明は出てこない)

・物語の導入で行われる説明 遠く→近く(大きい→小さい、世界→個人)が基本
=映画のカメラのイメージ

 映画のカメラ、と言われて、遠くの風景を映してから主人公を映すイメージが浮かびました。この視点が行き来すると分かりにくくなる。
 私はこの順番がごっちゃになっていたのと、話の流れとしては意味のない説明も入っていました。(書きながら、何となく気持ち悪い…と思いつつもそのままだった部分。放置は駄目ですね)

 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』暁 佳奈 (著) では…
この町は緑豊かな~
→別荘地があります
→商店街があります
→季節は秋です
→一軒の家があります
→主人公の持ち物です
→主人公の名前は~
→主人公が何をしているのか

・一章は主人公がどういう人間かを読者が知るところ

 ここで見る主人公が、読者にとっては最初に知る主人公。この先そのイメージで話が進んでいくため、主人公の外見も含め、その主人公ならどう思うか、どう行動するかを書かないといけない。(初対面のイメージは大事だと現実でも聞くよな…と思い出しました)
 こちらも原稿を元にしたお話です。原稿では一章に二シーンありますが、二シーン目で主人公の感情や思考から焦点が逸れます。しかし一シーン目のラストがさらっと流れてしまっていたため、実際に講座の中では「ここが一章の最初のシーンのラストなのでふさわしい描写を。この物語では、主人公がどういう人間か、何を考えているのかが分かる、一章における最後のシーン。そのため誰にでも当てはまるような感情を描写するのではなく、その主人公ならどう思うかを書く」という話でした。

■物語の構成

・物語の構成がどうなっているかを自分で知ることが大事

 前回からの続きのような部分です。自分で知る、というのは自分が書いた物語を客観的に見て、どんな構成になっているかを知るということ。前回の課題だった以下3つはそのための方法。

・物語をプロットにまとめ直す
・章ごとの役割をつける
・章ごとのタイトルをつける

 プロットに直すことで全体の流れが分かる。全体を見ると、この章とこの章で同じことをしている、この流れがくるのは早すぎなのでは、と発見できる。
 また章ごとの役割とタイトルをつけることで、その章で何を書くべきかが整理される。その章がプラス(の感情や流れ)の章かマイナスの章か、も分かりやすい。
 これらをやることで自分の物語の把握をして、自分で問題点を見つけて修正案を考えていけるようになると良い、ということ。

 実際この課題をやっている最中に、この章の役割が二つになっている? この章はこれを書くべき章なんだな、あれここの流れの辻褄合ってるよな、等々、思っていたよりも考えてだいぶ時間がかかりました。

・物語の流れ

 だいたいの物語の流れはこれ、という図

 横軸が時間。縦軸は主人公の状況だったり、感情の動きだったり当てはまることは様々ですが、上にいくほど良い、下にいくほど悪い、というものです。(細かいことをいうと色々あると思うので、心や頭の目で補完してください…)
 これを見て、自分の物語に当てはめるとどんな感じ? 全体のバランスは? と考えると分かりやすいことも。

・幸せな時間をちゃんと映すことで、その後の下り坂が映える

 上の図でいう、Nの一つ目の頂点。お楽しみシーン。上手くいっている無双状態で、読者にとっても楽しいところ。
 一章丸々楽しい! という作り方もあれば、楽しい!けど最後に下り坂を匂わせる…という作り方もあり。他の章や全体のバランスも見て決めると良い。

■長編のアイデア


・メモ大事!
(人間忘れちゃうからね)

 前回私が、長編がなかなか…というお悩み相談をしたので。長編になる(長編が書ける)アイディアというのは、いきなりそれがどーんと降ってくるのではなく、小さなアイディアが集まってできるものなので、普段からメモしておくことが大事。
 
メモの種類として挙げられたのは主に以下3つ。
①書きたいこと・ネタ
②今の自分の感情・あった出来事
③触れた作品について


①書きたいこと・ネタ
 これはやっている方が多いのでは。自分が何を書きたいかを具体的に把握できているかが大事。そのためにも、書きたいなと思ったことや、設定、ふとした思いつき等々。
 
②自分の感情・あった出来事
 悩みとか、解決したこととか。感情にも旬があって(その時にしか書けないことをすぐに小説として書けたらいいが)後で書こうとして、思い出して書くのには限界がある。エピソードやどういう風に感じたか、メモがあったら思い出しやすいし話の具体性も増す。
(それでも六割七割の思い出し具合になってしまうこともあるよね、という話もしました。喉元過ぎれば)

③触れた作品について
 見た・読んだ作品の記録。好きなシーン、好きなキャラクター、好きな設定、感動したところ。それはなぜ? を言語化してメモしておく。
 これをすることで学びにもなるし、自分の好きなストーリー・キャラクター・設定が分かる。昔好きだった作品を読み返してみるのも良い。児童書だとしても学びはたくさん。

ex)ハリーポッターが好き! と魔法学校ものを書いても同じ話になる…
 なぜ? を考えて、例えば魔法を抜いて考えると
「不遇な少年→特別な存在だと分かり→努力をして成長→成功する」
 こういうストーリーの話は他にもあるし、この下地を使った物語だったら他の設定でも書けるな、となる。(もし魔法が好きな要素の一つだったとしたら、他の要素を組み合わせてまた別の話が書けるかもしれない、となるのかな)

 余談。私は子どもの頃からよくミステリーを読んでいるのですが、今のところそのジャンルを書こうとはしていないし、もし書こうとしてもたぶん書けないと思います。(こまごま影響を受けているなと思うことはありますが、基本的に、トリックとは…? 状態)
 それゆえ初回の講座の前に好きな本を挙げた時、提出した原稿とのジャンルの差よ…と思っていたのですが、じゃあ私はなぜこんなにミステリーを読んでいるのだろう、と考えて理由を発見するきっかけになりました。

後書き

 今回もできていなかったり足りなかったりした部分の課題が出ました。それと新しく始めることも。頑張ります。
(そして初めてリンクと図の挿入をしたのですがうまくできているのかしら。見えないよ、とかあったら教えてください)

 そしてこれは初回に言っておかねば、という内容かもしれませんが。
 このまとめはあくまで私が講座中にメモしたことを書き起こしています。書き起こしながら、こういうことだなと言葉を付け足しているところもあります。的外れなことにはなっていないと思いますが、私のフィルターがかかっていますのでご承知おきください。

 それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございます。

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