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VRChat内イベントをYouTubeでラジオ配信することで見えてきたこと

社会人になって2年目だったでしょうか。
社員旅行イベントの余興で「将来の野望は」みたいなことを聞かれて、ふと、「ラジオパーソナリティーかな」と思いました。
それまで特にそんなことを考えたことはなかったのですが、村上春樹が神宮球場でヤクルトの試合を見ながら「小説(後のデビュー作「風の歌を聴け」)を書こう」と思ったのと同じ感覚でしょうか。
なんとなく、その折々の好きなことを話して、好きな音楽を掛けて、聴いてくれる人たちと親密な時間を共有して、というのを「自分もやってみたいな」と思ったのだと思います。素朴に率直に、「楽しそうだな」と。
自分は、小学生時代からNHKの基礎英語のラジオ放送を聞き、大学時代にTOKYO FMを聴くようになり、数年前からTBSラジオ中心になって、今は毎週月〜金の夕方の番組「アフター6ジャンクション」を愛聴する日々です。
そんなこともあって、VRChatをやるうちに「ラジオ好き集まれ!集会」というイベントを主催するようになりました(そこに至る経緯は下記の投稿にて)。

このイベントでは原則毎週1回、ラジオやVRをテーマに少人数でワイワイ雑談しているのですが、ある時、ある参加者の方に「このイベント自体がラジオ番組みたいですね」と言われて、「あ、確かにそういうところがあるな」と感じました。

参加者の方々は毎回、三々五々集まるので、いらした方とまず、「最近いかがですか?」とトークを始めて、話題が広がらなかったら新たな話題を探すし、その話題が盛り上がったらそれを深掘りし、余談が広がったらその余談をさらに深掘りしていき、新たな参加者の方が到着したらその方に同じ質問をして……と。
確かにあたかも、ラジオのフリートークみたいなところがあるのかもしれません。
それでは1回、このイベントの内容をOculus Quest上で録画してみて(必要に応じて編集してみて)、改めて自分を外の目に置いて聞いてみたらどう感じるのだろう。
また、それをYouTubeにアップして人の目に触れるようにしたら(実際は、自分のYouTubeチャンネルは自分があれこれ実験するために使っているため、登録者数がほとんどいないので、基本的には誰も見ないのですが)、ちょっとしたラジオ番組みたいで、なんかワクワクするな、と思ったのでした。
ある意味、前述の「ラジオパーソナリティーになりたい」という野望を叶えているようなところもあるし(権利関係が色々とあるので、YouTubeでは「好きな音楽を掛けて」というのは難しいですが)。
その模様が、下記のYouTube動画です。「ラジオ好き集まれ!集会」の第14回(第0回があったので、実は15回目)の模様となります。
「ラジオ好き集まれ!集会ラジオ」と名づけました。
動画として見ていただいても良いですし、ながらで何かをしながら音だけを聞いていただいても嬉しいです。

やってみて感じたのは、すごく素朴な感覚なのですが、「あ、楽しいな」ということでした。動画編集の作業も含めて。
嫌らしいことを言えば、この動画の再生回数は見えるようにしているから、「たくさんの人たちに見てもらいたい」という、承認欲求的な気持ちもないわけではないのですが、現在、VRChatを楽しんでいる日本人の方々の中の少なくない数の人たちの抱いている思い、すなわち「承認欲求とかお金が儲かるかとかはひとまず二の次で、ものづくり、創作活動をしていること自体が楽しい」という思いと言えるのかもしれません。
そう、この(参加者の皆さんのご協力の賜物として存在していることに、深く感謝しておりますが)YouTube動画という「ラジオ番組」づくりが私にとってのものづくりであり、創作活動だったのです。
その辺り、納豆うめえさんという方が主催した「作る人雑談会night」というイベントに参加した際のレポートを参照いただければ、なんとなく、理解とまではいかなくとも把握はしていただけるのでは、と思います。

今回みたいな動画は、また作ることがあるかもしれません。
でも、毎回はやりません。というより、やらない回の方が多いと思います。
というのは、「ラジオ好き集まれ!集会」というのは、縁あって参加いただいている方々とワイワイ雑談することが楽しくてやっているところがあるので、「ラジオ好き集まれ!集会ラジオ」を作ることは目的ではないからです。
ある意味においては、「イベントの模様を録画しますよ」というのは、「第14回ラジオ好き集まれ!集会」の雑談を活発化させるためのトピックスの一つという「手段」的なものであり、手段と目的を履き違えたいわけではない、と言い換えられるかもしれません。

「VRChat内イベントをYouTubeでラジオ配信することで見えてきたこと」。
それは、ものづくりや創作活動の喜びでした。
と同時に、「でも、こういう動画を毎回作ることよりも、今まで通り、自然体でワイワイ雑談できる時間を持てる方が求めていることだな。もっと言うと、動画を毎回作ることで参加者の皆さんが自然体では話しづらくなって、楽しくないな、と思われて、このイベントに誰も来なくなってしまうのだとしたら、そっちの方が嫌だな」という感情の発見でした。

上記のようなことって、自分で書いていても優等生的な感じがあって、「本当かよ」と毒づきたくもなりますが、概ね間違いではないように感じています。
私は多拠点居住をテーマに活動していて、「仮想現実内国家も多拠点居住の1拠点にできるのでは」という、一見して頭のおかしいことを書いたことがありました。

でも、今になって思うのは、このVRChatというVRSNS内のコミュニティーが、本当に自分の一つの拠点になりつつあるのだ、ということ。
仮想現実はリアルと対立するものではなく、仮想現実も含めて一つの「リアル」の世界として存在しているのだ、という感覚がまた一つ「確信」に近づいているように感じました。
ラジオ好き集まれ!集会、次回は15日日曜の21時から開催できれば、と考えています。

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